ヤクルト、神宮借用期間もっと短く!80日に短縮もさらなる“短願”

[ 2016年5月14日 05:38 ]

五輪期間中の借用期間が大幅に短縮された神宮球場

 2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は13日、大会運営のために同年5~11月に神宮球場の借用を求めた問題で、管理者の明治神宮外苑や球場を使用するヤクルト、東京六大学、東都大学の両野球連盟、東京都高野連の主要団体と都内で2度目の協議を行い、期間を7月1日~9月20日ごろの約80日に短縮することで基本合意した。資材置き場とされていた用途も変更され、人工芝の撤去などは行わない方針。使用団体側は期間の短縮を再度求め、今後も協議は継続していく。

 プロ、アマ球界を巻き込んだ騒動は、神宮球場の使用中止期間の大幅短縮と用途変更でひとまず落ち着いた。4月の第1回会合で組織委は、スタッフの待機場所や資材置き場として使用するため7カ月間の借用を求めていたが、ヤクルトなど使用団体は期間短縮と使用用途の変更を強く要望。組織委の代替案が焦点となっていた。この日の協議で組織委は隣接する神宮第2球場や五輪前に一度解体される予定の秩父宮ラグビー場のスペースを利用することで、7月1日~9月20日ごろまでの短縮を提示し、基本線で合意に達した。

 さらに組織委は使用団体側の「野球場としての形を変えない用途に」という要望を受けて、開会式、閉会式に出席する各国要人のためのスペースとして使用する方針を示し、人工芝の撤去やプレハブの設置などは行わないとした。関係者によると球場は各国来賓の駐車場として活用される見通し。組織委が芝の養生などフォローする方針を示し、使用団体側も了承したもようだ。五輪、パラリンピック両大会の開閉会式計4度の開閉会式時のみの使用となるが、テロ対策で周辺を含めた警備が強化されるため、短縮案でも約2カ月半の間は野球場としての使用はできなくなる。

 組織委の佐藤広副事務総長は「神宮が、数多く試合が行われる野球の聖地であるという歴史を刻んできたことに対する配慮が十分ではなかったという反省がある。その上で検討を重ねた」と話した。ヤクルトの衣笠剛球団社長は「私どもの考えを最大限聞いていただいた」と歓迎する一方で、使用中止期間を7月6日~9月14日とする要望を出した。土、日曜にあたる7月4、5日に全国高校選手権東西東京大会の開会式を開催したい東京都高野連もさらなる期間短縮を求める意向で、協議は今後も継続される。

続きを表示

この記事のフォト

2016年5月14日のニュース