坂本12回2死逆転サヨナラ打 G今季初劇勝「一番うれしい瞬間」

[ 2016年5月14日 06:23 ]

<巨・ヤ>延長12回2死一、二塁、サヨナラ適時打を放ち長野(右)と抱き合い喜ぶ坂本

セ・リーグ 巨人3―2ヤクルト

(5月13日 東京D)
 土壇場でキャプテンが決めた!巨人は13日、ヤクルト戦で今季初のサヨナラ勝ちを収めた。1―2の延長12回に2死走者なしから反撃し、坂本勇人内野手(27)が逆転の左翼線2点二塁打を放った。坂本のサヨナラ安打は通算9本目。先発の菅野智之投手(26)は、9回2安打1失点で10奪三振の力投。勝敗は付かなかったが、球団史上4人目で最多タイとなる3試合連続2桁奪三振を記録。チームは2連勝で首位の座を守った。

 歓喜の輪の中心で跳ね回った。今季初のサヨナラ勝ち。逆転二塁打を放った坂本が、ベンチから飛び出したナインにもみくちゃにされた。

 「サヨナラ勝ちはチームも勢いに乗る。僕が決めることができて、一番うれしい瞬間です」。守備の乱れで勝ち越された直後の延長12回だ。2死走者なしから、長野の二塁打と大田の四球で2死一、二塁。オンドルセクのフォークを軸回転で引っ張る、左翼線への逆転二塁打を放った。東京を本拠とする両球団が「TOKYO」のロゴが入ったユニホームで臨んだ試合。今季最多の4万6810人が沸いた。

 チーム歴代6位となる通算9度目のサヨナラ安打に「走塁ミスやエラーもあったので今までよりもうれしい」とホッと胸をなで下ろした。先頭打者で二塁打を放った6回に続くギャレットの右飛でタッチアップできなかった。さらにクルーズの中堅へのライナーでスタートを切り帰塁できずに併殺。チームは積極走塁を打ち出しているとはいえ、守備でも9回1死一塁で失策を犯し、責任を感じていた。

 逆転サヨナラ打には今季の取り組みが凝縮されていた。2月の沖縄キャンプで内田打撃コーチから「この老人が来年チームにいられるかどうかは、おまえにかかっているんだぞ」と声を掛けられた。元巨人、ヤンキースの松井秀喜氏や高橋監督を育てた68歳の名伯楽からの冗談交じりの一言が染みた。同コーチの指導の下、「足の上げ方を変えてきた。始動を遅くした」。打席で無駄な動きがなくなった。バットは内側からスムーズに出るようになった。

 2安打で打率はリーグトップ・361に。坂本が適時打した6戦は負けなしだ。高橋監督は「よくはやってくれていると思いますけど、まだ評価するところじゃない」とさらなる高みを期待している。今季の延長戦は7戦4勝3分けと無敗で首位をキープした。「キャプテンとしてプレーで引っ張っていきたい」。ヤクルトには4月29日からの敵地3連戦で屈辱の3タテを食らった。まだまだ借りは返していない。(神田 佑)

 ≪23年ぶり≫坂本(巨)が延長12回にサヨナラ二塁打。自身のサヨナラ安打は昨年8月20日の阪神戦以来9本目(チーム6位)。うち、逆転サヨナラ打は、10年6月4日の日本ハム戦(9回本塁打)、昨年8月1日の中日戦(9回二塁打)に次ぎ3本目で延長戦は初めてだ。この日は2死無走者から。リードを許した最終回2死無走者から逆転サヨナラ勝ちは95年5月21日の中日戦以来だが、この時は9回決着。延長戦では93年8月14日の中日戦で10回2死無走者から西岡の単打、川相の2ランで4―3と勝って以来23年ぶり。

 ≪33年ぶり≫巨人は今季初のサヨナラ勝ちで延長戦は4勝3分け。延長戦に開幕から7戦以上負けなしは、83年の8戦無敗(○○○○△△△○)以来33年ぶり。

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