エース・石川 野手顔負けの三拍子で5勝目つかんだ

[ 2011年6月26日 06:00 ]

<ヤ・横>4回1死一、二塁、ホワイトセルの右前適時打で石川が生還する

セ・リーグ ヤクルト4-1横浜

(6月25日 神宮)
 ピッチャーでも1メートル67の小柄でも速かった。自らを助ける貴重な3点目をもぎ取ったのはヤクルトのエース・石川の激走だった。

 「予想以上にいい送球が返ってきて、思ったよりもギリギリセーフ。先に足が入ってくれて良かった」。俊足巧打。その姿は1番打者のようだった。4回、先頭で中前打。1死一、二塁となり、ホワイトセルが右前打を放つと、石川は二塁から一気に突入した。三塁を回ったところで転びそうになってもすぐに体勢を立て直す。右翼・吉村の好返球でクロスプレーになったが、突き刺すようなスライディングでホームベースを奪った。

 野手顔負けの50メートル6秒2の俊足。今年1月で31歳となったが、幼少時から雪国・秋田で鍛え抜いた脚力は衰えておらず「石川はまだまだ足が速いと書いておいてください」と笑う。リーグ戦再開後初登板。「打席に立つのは嫌いじゃないんで」と「9人目の野手」として投げて打って走った。

 本業では交流戦最後の2試合で連敗。首位を走るチームのエースとしてこれ以上負けるわけにはいかない。初回から直球を多投し、内角を攻め込んだ。技巧派左腕らしからぬ投球に映ったが、それも石川の気迫の表れ。そして激走だ。直後の5回に1点を失い、6回103球で降板。本塁に突入させた城石三塁コーチは「石川にちょっと頑張ってもらった。その後ヘロヘロになって少し責任を感じる」と苦笑いだ。

 待望の5勝目にも石川は納得していない。スタミナ切れを反省し「もっと長い回を投げないと。次は完投したい」と意気込む。リーグ戦再開で連勝を収め、貯金8とした小川監督も「あしたも勝たないと価値が半減する。3連勝で勢いをつけたい」とどん欲だった。

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