マー君 涌井に初めて投げ勝った!毎回の12Kで7勝目

[ 2011年6月26日 06:00 ]

<西・楽>4回、先制本塁打を放ったルイーズ(背中)をベンチから身を乗り出して迎える田中

パ・リーグ 楽天9-1西武

(6月25日 西武D)
 エースの仕事を果たした。楽天・田中将大投手(22)が25日、西武戦で8回3安打1失点と好投して今季7勝目を挙げた。毎回の12三振を奪って、通算20度目の2桁奪三振を記録した。前夜に逆転サヨナラ負けを喫したチームの悪い流れを止める快投。相手エース・涌井秀章投手(25)に初めて投げ勝ち、チームを5位に浮上させた。防御率も1・18とし、リーグトップを守った。
【試合結果】

 絶対的な存在へ、また一つ階段を上がった。前日の西武戦(大宮)で、守護神・スパイアーが9回に2点差をひっくり返されるサヨナラ負け。求められたのは、チームの流れを変える内容と結果。田中も十分に理解してのマウンドだった。

 「きのうはあり得ない負け方。初回から流れを変える投球をしないといけないと思っていた」

 初回先頭の浅村にいきなり左前打を許した。犠打などで2死三塁。ここで4番の中村を迎えたが、2球で2ストライクと追い込み、外角高めの148キロ直球で空振り三振を奪い、主導権を渡さなかった。相手がエース涌井となれば、先制点の重みは増す。「涌井さんに意識されていたか分かりませんが、僕は意識して投げました。今まで負けていたので」。過去2回の直接対決でいずれも敗れた相手に投げ勝ち、チームの流れをつくる責任を感じていた。

 田中にとって、西武ドーム自体が鬼門だった。過去6試合で1勝4敗、防御率4・12。昨年の8月29日は、右大胸筋を痛めて6回で降板した。そのまま戦列復帰できずにシーズン終了。不完全燃焼となった昨季を思い出し「ここでケガして終わってしまったので、しっかりという気持ちはあった」と奮起した。昨秋キャンプから無駄な力を省いた投球フォームに取り組んだのも、故障を防ぐためだった。1年間ローテーションを守らなければ、エースの資格はないと自覚している。

 初回に中村から三振を奪い、8回まで毎回の12三振を記録した。自身20度目の2桁三振だが力任せで三振を奪った1、2年目とは違う。3球勝負でも三振を取れるようになり、「要所でいい球を投げることができた」と必要な場面で三振を狙う。6つの三振を奪ったスプリットも、昨季の終盤までは使っていなかった球種。投球の幅は広がっている。星野監督も「いつも通りの投球。コントロールもいいし、球も走っていた」と賛辞を惜しまなかった。登板を重ねるたびに、田中はエースの条件をクリアしていく。

 ▼楽天・佐藤投手コーチ(田中について)ブルペンから球が良かった。指にしっかりかかった球を投げていた。

 ≪現役トップは杉内の45回≫田中(楽)が8回1失点で今季7勝目。涌井(西)との先発対決は07年5月8日、09年7月3日に次ぎ3試合目。過去2試合はいずれも黒星(涌井はともに白星)がついたが、初めて投げ勝った。この日は12奪三振の力投。2桁奪三振は、プロ5年目で通算20回に到達した。現役で20回以上は杉内(ソ)の45回を筆頭に8人目。また、高校出投手の2桁奪三振20回到達年数を調べると、68年江夏(神)の2年目が最速で、5年目は松坂(西=現レッドソックス)、ダルビッシュ(日)らに並ぶペースだ。 

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2011年6月26日のニュース