松坂 リハビリ開始「新しい松坂大輔の始まり」

[ 2011年6月26日 06:00 ]

キャンプ地でのリハビリ初日を終え、取材に応対する松坂

 右肘の腱移植手術(トミー・ジョン手術)を受けたレッドソックスの松坂大輔投手(30)が24日(日本時間25日)、キャンプ地・フロリダ州フォートマイヤーズの球団施設で本格的なリハビリをスタートさせた。実戦復帰には通常1年かかるといわれる長い道のり。手術後、初めて報道陣に対応した右腕は、先の見えない不安な心境を吐露しながらも、新しい「松坂大輔」として再びメジャーのマウンドに戻ってくることを誓った。

 約5時間のリハビリ終了後、松坂はTシャツ姿で報道陣の前に姿を現した。右肘には痛々しい手術の痕。アイシングの影響か、患部はわずかに赤みを帯びていた。手術を受ける前には「不安な気持ちしかない」と失意のどん底にいたが、それから約2週間が経過し徐々に笑顔も戻ってきた。「日々少しでも良くなっていくことを実感することで、少し幸せを感じられる。それがあって、またあす頑張ろうという気になります」と現在の心境を語った。

 リハビリはアイシングと、傷口のマッサージ、肘の可動域を広げる作業の繰り返し。2~4週間かけて可動域を完全に戻すまで、走ることはおろか、下半身のトレーニングもエアロバイクなどに限定されている。「マッサージはやっぱり痛かった。(手術を)経験した人の話を聞くと、泣きたくなると(言っていた)。我慢することが多い」とつらさを口にする。

 今月10日にロサンゼルス市内で手術を受けた松坂に対し、地元メディアには辛らつな見出しが並んだ。「“僕の時代は終わった”と言われたけど、ある意味、それでいいなと。ここからがまた新しい松坂大輔の始まりだと思って、一から、ゼロ、マイナスから新しいものをつくっていきたい」。横浜高、西武を経て「1億ドルの男」として海を渡った華やかな野球人生。それを捨て、新たな道を歩むことを心に決めた。

 日常生活でも不便を強いられている。箸は左手で持ち、歯磨きや洗顔も左手のみ。外出時は肘に固定具を着ける。全ては再びメジャーの舞台に立つため。「(レ軍本拠の)フェンウェイのマウンドで投げるというのが、今の僕の一番の目標」。松坂の長いリハビリとの闘いが今、始まった。

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2011年6月26日のニュース