松坂 「負けない投球」でチーム自力V復活!

[ 2010年8月12日 06:00 ]

<レッドソックス・ブルージェイズ>3回、帽子を取るレッドソックス・松坂

 【レッドソックス7―5ブルージェイズ】レッドソックスの松坂大輔投手(29)は10日(日本時間11日)、ブルージェイズ戦で5回2/3を6安打4失点で降板。チームは勝ったが今季9勝目はならなかった。3回に同点3ランを浴びたが、体重の乗ったカットボール、シュートは93マイル(約150キロ)を超えるなど手応えも得た。ヤンキースが敗れたため、自力優勝の可能性も復活。逆転優勝、プレーオフ進出へ、7月以降黒星がない松坂がチームをけん引する。

【試合結果


 初回は3者連続三振で始まった。8回1失点で勝ち投手となった前回5日のインディアンス戦同様、勢いはあった。だが、微妙な投球フォームのズレが失点を招いた。
 「3回だけですね。もったいなかった。ひじが下がっているのは投げながら気づいていましたが、その状態でもこの回はやり過ごせると思った。本当に投球が下手」
 3点リードの3回。ひじが下がって、トップの位置が決まらないまま投げ急いだ球は抜けた。連続四球で無死一、二塁。バランスが崩れたままのフォームで投げたカットボールを、スナイダーに右中間へ同点3ランされた。「後で確認したら力のないストレートに見えた。打たれるような打者じゃない」と悔やんだ。
 だが失敗の中であらためて得た感覚もあった。「これまで90~92マイル(約145~148キロ)だったけど、しっかりと体重が乗って投げたカットボールとシュートは93~94マイル(約150~151キロ)が出るようになった」。前回のイ軍戦でもこの球種を多投した。今後の勝負どころで頼れる球種を磨いてきたが、バランスさえ崩れなければ軸にできる球種だと再確認できた。
 さらにこの球種を生かすため、捕手マルティネスには直球のサインでカットボール、シュートを自分の判断で投げ分ける確認も事前に行った。「大リーグの投手はきれいな直球を投げる投手はいない。“大丈夫だ”と言ってくれました」。サイン交換で手間取ることなく、自分の感性で投げられる状況を築き上げた。
 救援陣が同点とされ、9勝目はならなかった。それでも登板7試合連続で黒星なし。チームは自力優勝の可能性が復活した。「僕はシーズン序盤に休んでいる。ここで頑張る時です」。残り登板は9試合。「負けない投球」ができる松坂の存在は欠かせない。

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2010年8月12日のニュース