延岡学園 劇的サヨナラで32年ぶり聖地勝利!

[ 2010年8月12日 06:00 ]

<延岡学園・大分工>延長10回死一、三塁、打者・矢野の時、暴投で延岡学園がサヨナラ勝ち

 【延岡学園5―4大分工】延長10回1死一、三塁。延岡学園の執念が相手の暴投を呼び込んだ。初出場した78年夏以来、春夏合わせて32年ぶりの甲子園勝利は劇的なサヨナラ。主将の押川は「泣きそうです」と言って、笑った。

 本職は一塁手だが、3回途中からは先発の坂元を救援し、3回1/3を1失点でしのいだ。再び坂元にマウンドを譲ったが、6回2死二塁の場面で2度目のマウンドへ。バットでも6回、一度は同点に追いつく中前打を放つなど3安打と活躍した。
 口蹄疫の感染拡大防止のため、県大会は準々決勝まで無観客試合。会場に向かう途中も消毒ポイントのたびにバスが止められた。5月末からは対外試合も禁止となる中、甲子園出場を勝ち取った。宮崎は今も被害が残る。重本監督は「県民の方々に感謝しかない」と、大舞台でプレーできる喜びを明かした。押川も「気持ちを1つに全力で戦った」。その戦いは、復興に懸ける故郷と重なった。

 ≪「がんばろう宮崎!」を背に声援≫サヨナラ勝ちの瞬間、延岡学園の応援席は熱狂に包まれた。この夏初めて全校応援による応援が実現。約16時間かけて駆け付けた生徒約600人は、背中に「がんばろう宮崎!」のロゴが入ったTシャツ姿で声を張り上げ、劇的勝利に涙ぐむ女子生徒もいた。応援団長を務める野球部員の黒木浩太郎さん(18)は「ぶっつけ本番だったけど、みんなを元気づけられた応援だった」と興奮を隠さなかった。 

続きを表示

2010年8月12日のニュース