「埼玉のダル」中村 高卒ルーキー一番星!

[ 2010年8月12日 06:00 ]

<ロ・日>プロ初登板初勝利の日本ハム・中村はウイニングボールにチュー

 【日本ハム4―3ロッテ】初めてのヒーローインタビュー。頭は真っ白。途中、何度も声が上ずった。5回3安打1失点。チームでは05年のダルビッシュ以来となる高卒新人の初登板初勝利の快挙を達成した日本ハム・中村は、短い時間に同じ言葉を3度も繰り返した。

 「思い切って、向かう気持ちで投げました。思い切って、打者に向かっていきました。思い切った、結果です」
 だからこそ、初回のピンチも乗り越えられた。先頭の西岡の飛球を右翼手・紺田が落球。いきなり三塁に走者を背負った。だが、今江を空振り三振。続く井口には四球を与えたが、金泰均、福浦を連続空振り三振。直球の最速は142キロだが、目いっぱい腕を振った分、打者の手元で伸びた。
 埼玉・春日部共栄時代から、スラリとした体格と均整なマスクで「埼玉のダルビッシュ」と呼ばれてきた。グラブには「静 HERO」の刺しゅう。「静」は平常心を保つ意味、「HERO」は大好きな歌手Mr・Childrenの歌の題名だ。大抜てきのマウンドでも、見事に冷静な投球でヒーローになった。
 西武・雄星の外れ1位で日本ハムに入団。そのライバルよりも早く、同期のルーキーの中で一番乗りでプロ初勝利を挙げ「いい結果になってうれしいです」とはにかんだ。「故障がなければ、もう一回放らせようと思う」と梨田監督。逆転優勝を目指すチームに、中田に続くシンデレラボーイが現れた。

 ◆中村 勝(なかむら・まさる)1991年(平3)12月11日、埼玉・春日部市生まれの18歳。武里中3年の時にKボールの県選抜で全国優勝。日本代表でアジア大会3位。春日部共栄では甲子園出場はないが、3年夏の県大会2回戦の小松原戦で9連続三振をマークした。09年ドラフト1位で日本ハム入団。今季イースタンでは12試合で2勝2敗、防御率4・65。家族は父、兄2人。1メートル84、75キロ、右投げ右打ち。血液型A。

 ▼中村の父・功さん(千葉マリンで観戦し)本当に感動しました。まだ18歳だけど、あいつ成長したんですね。(初回無死三塁のピンチは)ドキドキしたけど抑えてくれるだろうと信じてました。大したもんですよ。(登板日を本人から聞いて)“頑張れよ”とか“体調には気をつけて”とメールしました。

 ▼日本ハム・小谷野(自己新の83打点)中村が頑張っていたので何とかしたかった。自己新?みんながチャンスをつくってくれているので、これからもここぞというときに貢献したい。
 

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2010年8月12日のニュース