“かなだい”引退 アイスダンス日本一、世界選手権日本勢最高タイ11位、飛躍のシーズン終え決断

[ 2023年5月2日 04:41 ]

村元哉中・高橋大輔組

 フィギュアスケート・アイスダンスの村元哉中(30)、高橋大輔(37=関大KFSC)組が1日、現役引退をインスタグラムで発表した。きょう2日に東京都内で記者会見する。昨年12月の全日本選手権で初優勝し、今年3月の世界選手権で日本勢最高に並ぶ11位。結成3季目の“かなだい”として飛躍したシーズンを終え、競技会から身を引くことを決断した。

 飛躍のシーズンを節目に“かなだい”が現役に別れを告げることを決めた。この日、2人はチームのインスタグラムを更新して動画をアップ。高橋は「今シーズンをもって競技生活から引退することを決断致しました」と話し、村元は「2人でいろいろ話し合って決めたこと」と続けた。

 高橋にとっては、これが2度目の引退となった。男子シングルで五輪に3度出場し、10年バンクーバー大会で銅メダルを獲得。世界選手権では日本勢初制覇を果たし、14年に一度は現役を退いた。だが、18年に32歳で復帰。「(シングルで)1年限定のつもり」だったが、スケーターとしての探究心が刺激され、20年からジャンプを跳ばないアイスダンスに転向。村元とカップルを結成して米国を拠点としてトレーニングを重ねてきた。

 「(まるで)別競技」と当初は悪戦苦闘も、徹底した肉体改造で課題を克服。北京五輪への出場には届かなかったが、今季は全日本選手権を初めて制した。高橋にとっては、5度頂点に立ったシングルとの2種目制覇となり、史上初の快挙になった。3月の世界選手権では日本勢最高に並ぶ11位となり、4月の世界国別対抗戦ではフリーダンス「オペラ座の怪人」で自己ベストを更新。今季は集大成ともいえるシーズンだった。

 シングルで活躍した高橋が戦いの舞台を変えたことから、注目度は格段にアップ。「自分をきっかけに、こんな種目があると知ってもらったんじゃないかな、との自負もある」と語っていたように、後れを取っていたアイスダンスの普及と強化に一役買った。一方の村元は14年にアイスダンスへと転向。クリス・リード(故人)と組んだ18年平昌五輪のアイスダンスで日本勢最高に並ぶ15位に入るなど、実績を残してきた。高橋とのカップル形成後、1季目は苦しみながらも、少しずつ呼吸を合わせてきた。

 世界国別対抗戦を滑り終え、高橋は複数の審判から「やっとアイスダンサーになったね。(現役を)続けるよね?」と声をかけられた事実を明かしていた。ファンも含めた多くの人に惜しまれながら、成長を続けてきた2人が競技会から去る。

 ≪今後はアイスショー出演≫現役を退く一方で、アイスショーでは“かなだい”を継続する。2人が出演する「アイス エクスプロージョン」は、12~14日に福岡で開催される。現役選手に加えて、トリノ五輪金メダリストの荒川静香さんらと共演する。関係者によると、今後はカップルとしてだけでなく、村元哉中、高橋大輔として個々でもアイスショーに出演していくという。

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