平野早矢香さん、引退発表の石川佳純は「天真らんまん。卓球をするべくして生まれてきた子」

[ 2023年5月2日 12:46 ]

平野早矢香さん
Photo By スポニチ

 卓球の石川佳純(30=全農)が現役引退を発表したことを受け、ロンドン五輪の団体でともに戦った平野早矢香さん(38)が1日に本紙の取材に応じ、ねぎらいの言葉を贈った。

 数日前に本人から報告があったといい、真っ先に浮かんできたのが「“お疲れさま”という気持ち」だったという。「リオ五輪が終わってからは(団体などで)年下の選手を引っ張り、かつ個人戦では年下の選手と戦ってきた。難しさはあったと思う」。以前に自身も同じような立場を経験してきたことから、その難しさは十分に分かっていた。

 8歳差ながら、石川が中学生の頃から同じ場所で練習を重ね、間近で凄さを感じてきた。「卓球のセンスはもちろん、何より天真らんまんでアスリート向きの性格。卓球をするべくして生まれてきた子だなと思っていた」。技術面でいうなら、その「勝負強さ」と「ひらめき」は抜きん出ていた。

 「“ここぞ”という勝負どころを分かっていて、そのときのひらめきや、思い切ったプレーをできるのが彼女の魅力だった。一緒にダブルスを組むときは、彼女が思いきってできる戦術やコース取りを心がけていて。それが、私にとっても一番やりやすかった」

 ロンドン五輪に加え、石川との思い出として胸に刻んでいるのが、14年に東京で開催された世界卓球団体戦。福原&石川のWエースで臨むはずが、福原がケガで欠場。石川への期待は高まり、平野さん自身も「愛ちゃんが抜けた分の埋め合わせをしないと」と強く思っていたという。

 「私たち2人以外は、初出場の選手が多かった。佳純はずっと“私が2点(2勝)取らないと”と言っていて。試合の前に“2点落として負ける夢を見ちゃった”って苦笑いしていたり。それぐらい、お互いに追い込まれていたんだと思います」

 福原不在の中でも日本は勝ち進み、決勝に進出。最終決戦では中国に敗れたが、83年東京大会以来、31年ぶりとなる銀メダルを手にした。

 長く日本の卓球界を第一線でけん引してきたからこそ、平野さんは「これからは佳純自身がやりたいことをやっていってほしい。それを全力で応援したい」と語った。

続きを表示

この記事のフォト

2023年5月2日のニュース