石川遼「諸行無常」奪首 練習不調も悟りの境地で66 開幕戦初優勝へ「最高の形」

[ 2023年4月2日 04:45 ]

男子ゴルフツアー東建ホームメイト・カップ第3日 ( 2023年4月1日    三重県 東建多度CC名古屋=7062ヤード、パー71 )

18番、カメラマンを背にセカンドショットを放つ石川遼(撮影・井垣 忠夫)
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 5位から出た石川遼(31=CASIO)が1イーグル、6バーディー、3ボギーの66で回り、この日最少の64で回った星野陸也(26=興和)と通算14アンダーで並び首位に浮上した。33回目となる最終日最終組から開幕戦初優勝、ツアー通算19勝目を狙う。4打差の首位で出た細野勇策(20=ロピア)は76と崩れて9位に後退した。

 首位に立っても石川は冷静だった。「悪いプレーはしていないと思うし、コツコツと積み重ねているものがある程度できている実感がある」と静かに語った。

 序盤はパットが弱く、スコアを伸ばせなかった。足の裏で感じるグリーンの硬さとスピードのギャップに苦しんだ。それでも自分の感覚を信じ続けた。

 タッチが合ったのは7番。3メートルの下りを沈めると、9番は2メートル、10番は6メートルの下りを決めて連続バーディー。12番は残り216ヤードから5Iで2オン。ここでも奥から8メートルを放り込みイーグル。その後も3バーディーを重ねて、リーダーボードのトップに収まった。

 朝の練習では調子が良くなかった。予選に比べピン位置は難しくなり、風も少し強くなった。それでも「全ては諸行無常。物事は常に変化しているので、受け入れなきゃいけないこともある」と悟りの境地で切り抜けた。

 同組の田中は、石川が17年に立ち上げた中学生、高校生、大学生を対象にした大会の第1回の参加者。当時中学生だった20歳とツアーで戦うことには感慨がある。石川は「順調に成長していてほほ笑ましい」と目を細め、先輩の貫禄も示した。

 最終日最終組は良いイメージも残る。星野とは昨年の三井住友VISA太平洋マスターズでも最終日最終組で優勝を争い、プレーオフで下しツアー18勝目を手にした。「最高の形で回れる。ストーリーがありながらの最後の18ホール。これ以上ない楽しみ」。初の開幕戦優勝に挑む31歳は自信をにじませた。

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