わずか15日間で3大会目の超強行軍で初優勝 田嶋剛希「辞めようと思った」から再起 全日本選抜体重別

[ 2023年4月2日 21:13 ]

柔道全日本選抜体重別選手権最終日 ( 2023年4月2日    福岡国際センター )

<柔道全日本選抜体重別選手権最終日>男子90キロ級で初優勝を果たし、達成感に満ちた表情を浮かべる田嶋剛希
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 男子90キロ級は2年連続準優勝だった田嶋剛希(パーク24)が3度目の正直で初優勝。決勝では16年リオデジャネイロ五輪金メダルのベイカー茉秋(日本中央競馬会)との技の打ち合いで観客を魅了し、延長31秒、隅落としで技ありを奪い勝利。「決勝の畳に立った時は、今回こそはと思った。もう自分の試合で勝って泣くことはないと思っていた」と話し、感極まった。

 昨年10月の世界選手権では団体戦代表に選ばれ、金メダル獲得に貢献。ところが17日後の講道館杯では強行軍が祟って3位にとどまり、五輪や世界選手権の重要な選考会となる12月のグランドスラム(GS)東京大会の出場を逃した。「辞めようと思った。1カ月は柔道着を着られず、トレーニングだけをしていた」と精神的にも追い込まれたが、時間の経過と共に気持ちが晴れ、積極的に発信しているSNSを通じての励ましの声も心に響いて再起を決意した。

 ところがその後も山あり谷ありの連続だった。今年2月にはGSパリ大会に派遣されるも2回戦で敗退。その後、パーク24の後輩である増山香補が国際大会の計量失敗で5月の世界選手権(ドーハ)代表権をはく奪され、2年連続の団体戦代表に繰り上がり選出されるも、世界ランキングが出場条件を満たさず、3月26日のGSトビリシ大会に出場して3位。帰国したのは同29日で、中6日、帰国後4日目でこの日を迎えていた。

 実は3月19日には4月の全日本選手権の予選会となる東京都選手権にも出場しており、最近2カ月で4大会に出場する超強行軍でもあった。4月29日には全日本選手権、5月には世界選手権と試合は続くが、「一つ一つ、全力を尽くすのが目標」と田嶋。パリ五輪代表入りにも望みをつなぎ、「追い掛ける権利を獲れた」と充実感に満ちた表情を浮かべた。

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2023年4月2日のニュース