異例の判定変更で勝敗逆転 ビデオ検証で反則技を認定 柔道全日本選抜体重別選手権

[ 2023年4月2日 16:06 ]

柔道全日本選抜体重別選手権最終日 ( 2023年4月2日    福岡国際センター )

<柔道全日本選抜体重別選手権最終日>準決勝での判定変更を経て決勝に進み、初優勝を飾った女子63キロ級の立川桃
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 女子63キロ級準決勝で、試合後に勝敗の判定が覆る異例の事象が発生した。

 判定が覆ったのは立川桃(ALSOK)―嘉重春樺(ブイ・テクノロジー)の一戦。試合は3分35秒、嘉重が腕ひしぎ十字固めで一本を奪い勝利。しかし直後から審判団でビデオ検証され、立った状態で関節をきめる反則技と判定され、勝敗がそっくり入れ替わる形となった。

 選手が畳を下りた後に判定が覆るケースは異例だが、全日本柔道連盟よれば、国際柔道連盟(IJF)試合審判規定第21条「規定に定められていない事態」に「本規定に定められていない事態が生じた場合は、審判委員会、スーパーバイザー、審判委員と合議の上で審判員が下した決定により処理される」とあり、このケースに当てはめて判定を覆したという。

 右肘を痛めた状態で決勝に上がり、10分45秒もの熱戦を制して結果的に初優勝を飾った立川は、「投げられた時に肘がきまっていた。ただ、畳を下りたら判定は変わらないと思った」と驚きの表情。決勝を待つ間は患部をつってアイシングを施していたといい、「(判定変更で)チャンスをもらったと思って決勝に臨んだ」と笑みを浮かべた。

 今大会の審判長を務めた鯨井甫氏は、全試合終了後に報道陣の取材に応じ、「明らかに反則だったので、試合結果の変更をした」と説明。準決勝後、立川の所属であるALSOKの小橋秀規監督が審判団に抗議を行ったが、「アピールは必要ない」と判定変更に抗議の有無は影響しなかったことを強調した。

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2023年4月2日のニュース