向翔一郎が初戦敗退　パリ五輪へ100キロ級転向も　柔道全日本選抜体重別選手権

柔道全日本選抜体重別選手権最終日 （ 2023年4月2日    福岡国際センター ）

＜柔道全日本選抜体重別選手権最終日＞男子90キロ級1回戦で敗れ、厳しい表情で引き上げる向翔一郎
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　男子90キロ級1回戦で、東京五輪代表の向翔一郎（トーシン工業）が中西一生（旭化成）に一本負けを喫し、敗退する波乱があった。向は2年連続の初戦敗退で、24年パリ五輪代表入りは極めて厳しい状況に追い込まれた。

　「過去一、仕上がっていた」と体調万全で今大会に臨んだ向だが、開始1分過ぎに技ありを奪われ、その後も指導2で窮地に。逆転に懸けて終盤に入ったが、逆に残り16秒、相手の袖釣り込み腰に屈し、天井を仰いだ。

　今年1月には心機一転、ALSOKからトーシン工業に所属を変更。2大会連続の五輪代表入りへ、今大会の優勝から反撃を開始したいところだったが、逆にパリへの道が遠のく結果に。「めちゃくちゃ悔しい。体は良くても、心が備わっていなかったかも知れない」と、敗因をつかみ切れていない様子だった。

　ただ、凡人離れした発想をするのも、向の真骨頂。「パリもまだ諦めない。限りなく可能性は低いが、24年になるまで諦めない」と宣言。続けて「ちょっと90キロ級に飽きている。100キロ級に上げるつもりです」と話し、1階級上に転向してパリを目指す意向を示した。