友風1267日ぶりの関取白星「この気持ちは誰にも味わえない宝物」右足切断寸前の大ケガから劇的復活

[ 2023年3月12日 16:22 ]

大相撲春場所初日 ( 2023年3月12日    エディオンアリーナ大阪 )

<春場所初日>返り十両の友風(左)は徳勝龍を押し出して白星発進(撮影・長嶋 久樹)
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 3年ぶりに関取に復帰した元幕内の友風(28=二所ノ関部屋)が徳勝龍(36=木瀬部屋)との再十両対決を制し、関取として1267日ぶりの白星を挙げた。

 低く当たってから左を差すと、互いにまわしが引けない展開から前に出ていって押し出し。大ケガを乗り越え、関取として戻ってきた土俵で白星をつかんだ。

 幕内上位だった19年九州場所で右膝の関節脱臼、前十字靱帯断裂、後十字靱帯断裂などの大ケガを負った。血管が1本切れていれば膝下を切断せざるを得ない状況だったほどの重傷。そこから4度の手術を経て懸命にリハビリに励み、奇跡的な復活を遂げた。「感無量です」としみじみ。「この気持ちは過去未来、誰にも味わえないと思います。宝物になります」と続けた。相撲の歴史上最悪と言われた大ケガから復活してきたからこその言葉に実感がこもった。

 「再十両1日目にしては良い初土俵を踏めたと思います」。「初土俵」という表現は、関取として相撲人生の第2章がスタートしたことを意味している。「全然ゴールじゃない。やっとスタートポジションに立てた」と場所前に語っていたとおり、相撲史に残る大復活劇は、ここからが本番だ。

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2023年3月12日のニュース