あの日から12年と1日…羽生結弦さん、6分56秒の決意表明「羽生結弦として全て背負って進んでいく」

[ 2023年3月12日 20:10 ]

<羽生結弦 notte stellata」>氷を飛び散らせ万感の演技する羽生結弦さん(撮影・小海途 良幹)
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 フィギュアスケート男子で五輪連覇を達成し、プロとして活動する羽生結弦さん(28)が12日、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで開催中の「羽生結弦 notte stellata」千秋楽公演を行った。グランドフィナーレではマイクを握って感謝の言葉を述べた後に、6分56秒に及ぶスピーチを行った。以下は全文。

 「こうやって月日が過ぎていくにあたって、昨日はあんなに苦しくて、悲しくて、つらくて、凄く凄くつらい日々でしたが、一日たってみると、なんか悲しさも越えて、やっぱり前に進んでいかなきゃなという気持ちと、また皆さんとともに、なんか僕が暗い気持ちになっていたら今日はダメだなと思って、頑張ってはっちゃけて、というか希望になろうと思って頑張っていました。皆さんのスケートプログラムを通して、ちょっとは前に向けたかなと思っています」

 「こうやって実際に12年と1日という月日が過ぎて、だんだんだんだん僕も毎年、ほぼ毎日のように3月11日という日を思い返していますけど、だんだん記憶は薄れていってしまうものですね。傷も、つらさも、悲しみも、なくなってしまったものの多さも、少なさも。全てがだんだんなくなっていってしまって。なんか穏やかな日々にだんだんなんか慣れていってしまって、そんなことに罪悪感を覚えるような日々もあります」

 「でも、そんなことあるんですよ、本当に。なんか羽生結弦っていう存在として、今まで生きてきて、僕はスケートをやることによって世界を救えると思わないですし、スケートで何か世界が変わるなんて、そんな大それたことはないと思います。ただ、僕がこうやってこの12年間を生きて、この一番つらかったであろうこの場所にリンクを張って、こうやって皆さんに希望を届けることができて、幸せであると同時に、これからも、こんなちっちゃな体ですけど、いろんなことを背負って毎日毎日、スケートのためだけに日々を過ごしたいと思っています」

 「でも、今日っていう日が終わってしまったら、ノッテステラータは、とりあえず2023年のノッテステラータはもうなくなってしまって、明日はいつもと変わらない、穏やかでくだらない日々が続くと思います。でも、その中でも僕はスケートをめちゃくちゃ頑張って、また、なんか羽生結弦のスケートを見たくなったな、とか。こうやってノッテステラータの配信があったり、いろんな中でまた見たいな、あのスケートに希望をもらったな、とかそういうことを思っていただけるように。そういうことを思っていただけたときに、またスケートを見ていただけるように、精いっぱい自分の幸せを削ってでも、ずっとずっと羽生結弦として全て背負って進んでいくんで、どうか応援してください」

 「僕はなんか、本当にこうやって皆さんに自分のスケートを見ていただいて、自分のスケートの中から、言葉じゃなくてスケートの中から何かを感じ取ってくださって、国境を越えて何かに希望を与えたり、悲しさを与えたり、慈しみだったり。そういったものを与えられる存在であれば、それだけで十分幸せです。だからこれからも、スケートのための選択をずっと続けていきます。どうか信じてください。これからも頑張っていきます。応援よろしくお願いします。ありがとうございました」

 「それでは、改めまして、ノッテステラータにご来場いただき、見ていただき本当にありがとうございました。また、また…やっていただけるか、それは僕次第なので分からないですけど。でも、ありがとうございます。とにかく未来が何も見えない、何も分からない、こんな世の中で毎日毎日生き抜いてください。この12年間を毎日一秒ずつ一日ずつ生きてきた、この愛おしい愛おしい12年間をまた今日からまた一秒ずつ一日ずつ続けてください。僕もそうやって生きていきます。また皆さんに会える日を、とてもとても楽しみにしています。今日は本当にありがとうございました」

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