新小結で勝ち越しの琴ノ若 上位定着で心境に変化「負けて当たり前」から「負けられない」へ

[ 2023年2月10日 16:36 ]

琴恵光(手前)と三番稽古を行った琴ノ若(撮影・前川 晋作)
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 大相撲の小結・琴ノ若(25=佐渡ケ嶽部屋)が10日、千葉県松戸市の同部屋で幕内・琴恵光(31)と16番の三番稽古を行った。

 得意の右四つからの攻めに加え、左四つでも強さを見せて14勝2敗。右を差し勝って圧倒する相撲もあれば、立ち合いからあえて左差しを狙いにいく相撲もあった。「簡単に右四つになれるわけではないので、その中でもしっかり対応できるように」と不得手な体勢からの攻めも練習した。

 新三役で迎えた初場所は4連敗スタートから巻き返して8勝7敗と勝ち越し。満足いく成績ではなかったようだが「内容は悪くなかった」と前向きに捉えていた。常に心掛けている前に攻める相撲が以前よりも多く「攻めている方が多かったので最後(13日目以降)の3連勝につながった」と振り返った。

 上位陣総当たりの地位で、この1年間負け越しなしを続けてきている。安定した成績を残せるようになり、横綱大関に初めて挑戦した頃とは心境にも変化が出てきた。「負けて当たり前の気持ちが正直あったけど、挑戦者の気持ちの中でも徐々に自分の力を出し切れるようになってきて自信がついた」。番付を上げていくことで、三役力士としての自覚も芽生えてきた。負けられない思いは、番付が下の相手と取る時だけではない。「誰にでもその気持ちでいかないと。地位を守ろうとすると相撲も守りになるので、攻めの姿勢は忘れずに。番付はここで終わりではないので」と闘志を燃やした。挑戦者の気持ちは持ちつつ、上位に対しても負けられないという思いを持って混戦の次期大関争いに挑んでいく。

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