【高校ラグビー】尾道が雄たけび上げ涙!2度の逆転、1点差守り切った 予兆は最初に組んだスクラムから…

[ 2022年12月30日 16:27 ]

第102回全国高校ラグビー2回戦   尾道31―30常翔学園 ( 2022年12月30日    花園ラグビー場 )

<全国高校ラグビー 常翔学園・尾道>常翔学園を破って、歓喜の尾道フィフティーン(撮影・北條 貴史)
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 尾道は敵陣5メートル付近のラインアウトからモールを組み、中央へずらしながら進んだ。1点差を追う後半24分。勝負の場面だった。途中からバックス陣3人も加わって押し、最後は左プロップの桧山蒼介がゴールポスト右下に飛び込んだ。「モールを組む前に話し合って、どう勝負するか決めた。しんどいところ。勝つために頑張るしかない、と。この試合はFW勝負だと思っていた。最後にトライを取れてよかった」。2度目の逆転。最後は1点差で振り切り、全員で雄たけびを上げ、涙した。

 予兆は開始早々からあった。最初に組んだスクラムで押せた。平均身長1メートル75・8、平均体重99・3の常翔学園FW陣に対して同1メートル74・3、同89・8キロでも負けなかった。桧山も最前列で「いける」と確信した。2トライの先行を許しても自信は揺るがない。前半14分には敵陣7メートル付近で得た連続ペナルティーで2回ともスクラムを選択。「たくさん練習してきて自信があったから」。反撃のトライにもつなげた。

 スクラム専門の外部コーチから毎月指導を仰ぎ、滞在3日間は連日1時間みっちり組んだ。「身長も低く体重も軽い。低さを求めてきた。低く固まって組むのが武器。この試合で出せた」。大会前には選抜優勝でAシードの報徳学園との強化試合に勝利。5度の優勝経験を誇る常翔学園にも気後れはなかった。

 一進一退の攻防。田中春助監督は「ゲロをはきそうになって…」と見守った。6トライを許しても0Gだったのは、好位置にトライさせなかったからだ。特に最後の6本目。成功なら再々逆転だったゴールキックは右サイドいっぱいから、わずかに外れ、勝敗を分けた。「(トライが)隅っこになった。真ん中までいかれなかったのが成長かな」。決勝トライにつなげたモールへのバックス陣参加も初めてのプレーだったという。「みんなの思いが出た。勝って泣けるのはいい…」とかみしめた。

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2022年12月30日のニュース