アメフト大阪公立大 「創部」1年目の1部昇格逃す QB篠原「1年の集大成は見せられた」

[ 2022年12月17日 18:06 ]

関西学生アメリカンフットボール1部2部入れ替え戦   大阪公立大26ー36甲南大 ( 2022年12月17日    たけびしスタジアム京都 )

<甲南大・大阪公立大>第1Q、パスで攻撃を仕掛ける大阪公立大・篠原(左) (撮影・亀井 直樹)
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 1部昇格は逃しても、「小さなエース」は悔いのない表情を浮かべていた。「立ち上がりは流れが悪かったけど、パスプロはできていたし、レシーバーもちゃんとボールをキャッチできた。1年の集大成は見せられたと思います」。時に笑顔さえ浮かべる大阪公立大QB篠原呂偉人(ろいど、3年)に、敗者の暗さや、湿っぽさは皆無だった。

 大阪府大と大阪市大が合併し、大阪公立大として生まれ変わった22年シーズン。2部2位で手にした入れ替え戦のチャンスに、1メートル70の司令塔は燃えていた。先手を許しながら、第2Q9分17秒に自らエンドゾーンに走り込むTDラン(TFPも成功)で同点。再び2TDを奪われ、突き放された直後の第2Q終了間際にも、WR仮屋翔平(2年)にTDパスを通して食い下がった。ただ、ディフェンスが相手のランに対応できず、追いかける展開の中でオフェンスもミス。必死に4本のTDをもぎ取っても、勝利、そして1部は遠かった。

 フットボール文化がまるで違う2チームの集合体。篠原によれば、練習方法や考え方が合致し、同じ方向にベクトルが向いたのは、夏合宿の頃だったという。時に言い争いまでして、生まれた絆は想像以上に強い。チームは急速に成長し、最も上のカテゴリーが手に届くところまできた。

 関大一高出身の篠原にとって、今季関大の躍進を支えたQB須田啓太(2年)は、高校の2年後輩にあたる。「須田もそうですけど、(関大には)高校時代にお世話になったコーチもいるし、来年(1部で)成長した姿を見せたかった」。そう話した時だけ、篠原は少し悔しそうな顔つきになった。すぐに視線を上げ、最終学年となる来年の抱負を口にした。「ここまでアメフトを長くやってきて、お世話になった人たち全員に僕のプレーを見てもらいたい」。背番号8は、もう2023年のスタートを切っていた。

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