初快挙 西山・大野夫妻が夫婦優勝 全日本空手道選手権

[ 2022年12月11日 19:54 ]

空手全日本選手権最終日 ( 2022年12月11日    東京・日本武道館 )

<空手全日本選手権>形で夫婦優勝を果たした西山走と大野ひかる
Photo By スポニチ

 形男子で西山走(かける、大分市消防局)が初優勝、同女子で8月に西山と結婚した大野ひかる(同)が3連覇を果たし、大会史上初の夫婦優勝の快挙を達成した。

 先に3連覇を達成した妻は、夫の初優勝を見届けると、コート横で感涙した。決勝ではともにスーパーリンペイを演武。大野は27・60点、西山は28・74点とこの日の最高得点を叩き出し、ライバルを圧倒してみせた。

 男子は10連覇中だった東京五輪金メダリストの喜友名諒が欠場。絶対王者が不在の中、昨年は準優勝だった西山は「自分が(優勝する)という思いがあった。試合になれば、自分の空手に相手は関係ないので集中した」と雑念を捨てた。先に最愛の妻が優勝し、「胸が熱くなった。自分も絶対にやってやろうと」と力に変え、憧れの舞台で初戴冠を果たした。

 普段は現場の消防士として勤務。深夜や早朝の出動がある時は、練習予定の変更を余儀なくされることもあるが、環境を言い訳せずに空手と向き合ってきた。消防士としても日々トレーニングを積むが、「空手では使う筋肉も違う」と最近はトレーニングの専門家の教えを請い、福岡県まで出向いて肉体改造に着手。「男子はパワーが必要。成果が出せた」と振り返った。

 第50回という節目の大会で3連覇を果たした大野も、「緊張もプレッシャーも倍になったが、うれしさも倍になった」と飛びっきりの笑顔で振り返った。結婚したものの、今後も大野姓で競技を続ける予定で、来年10月の世界選手権に向けて「もっと成長した姿を見せたい」と意気込んだ。

続きを表示

2022年12月11日のニュース