宇野、日本勢3人目GPファイナル制覇 「練習してきたこと出せた」フリー&合計で今季世界最高

[ 2022年12月11日 04:20 ]

フィギュアスケートグランプリ(GP)ファイナル最終日 ( 2022年12月10日    イタリア・トリノ パラベラ競技場 )

優勝した宇野(撮影・長久保 豊)
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 男子フリーで、SP首位の宇野昌磨(24=トヨタ自動車)は自己最高となる204・47点をマークし、合計点で今季世界最高の304・46点とし、出場5度目で初優勝した。日本勢の制覇は高橋大輔、羽生結弦に続いて6年ぶり3人目。山本草太(22=中京大)は2位だった。

 5度目の大舞台で、宇野がついに頂点を極めた。SP首位から最終滑走で迎えたフリー。冒頭からループ、サルコー、フリップの4回転ジャンプを余裕たっぷりに決めていく。続くトリプルアクセル(3回転半)に連続ジャンプをつけられず、後半の4回転トーループに乱れが生じたが、それ以外は大きなミスなくフィニッシュ。200点超えのスコアで自己ベストを更新し、過去に2位が2度、3位が2度だったGPファイナルを初めて制した。

 「もちろんジャンプは良かった。練習通りにできたし、こっちに来てからフリーはまとまっていた。練習してきたことは出せた」

 フリー、合計ともに今季世界最高となるスコアをマーク。大台となるフリーの200点超え、合計の300点超えはいずれも国際スケート連盟(ISU)公認大会では今季世界初。昨季の世界選手権に続く主要タイトル獲得となった。

 マリニンが4回転半を決め、山本も会心の演技を披露。緊張感が高まるはずが、いつも以上に冷静だった。「みんな良い演技をしていて、それで硬くなるなら見ない方がいいかなと思ったけど、自分は何も変わらなかった」。その要因となったのが、充実した練習だ。11月のNHK杯ごろまで悩まされていた靴の感覚が合ってきたことから、スケートに打ち込むことができ、自信につながった。

 指導を受けるステファン・ランビエル・コーチが現役時代、06年トリノ五輪で銀メダルを獲得したパラベラ競技場。師の思い入れのある地で宇野自身も培ってきた実力を示し、優勝が決まった瞬間は喜び合った。

 「まだまだ成長できる余地があると実感している。レベルアップできるようにしたい」

 自己最高を塗り替えても、満足はしない。成長への思いを胸に、また日々の練習と向き合っていく。

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2022年12月11日のニュース