早大フッカー佐藤がPOM 記念すべき100年目の早慶戦で2トライ

[ 2022年11月23日 19:55 ]

ラグビー関東大学対抗戦Aグループ   早大19―13慶大 ( 2022年11月23日    東京・秩父宮ラグビー場 )

<慶大・早大>後半、逆転トライを決め歓喜する早大・佐藤(左から2人目)ら(撮影・久冨木 修)
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 1922年の初対戦から100周年を迎えた伝統の定期戦は、早大が19―13で慶大に逆転勝ちし、今季5勝目(1敗)を挙げた。記念すべき試合で2トライを挙げた早大のフッカー佐藤健次(2年)が、プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)に選ばれた。

 ルーキーイヤーからNo・8の主力として活躍した佐藤が、フッカー転向1年目の早慶戦で、反撃&逆転トライで存在感を発揮した。10点を追い掛ける後半9分、ゴール前ラインアウトからモールを押し切り1トライ目。その5分後にはゴールまで10メートルからラインアウトモールを一押しし、ブラインドサイドを突いて2トライ目。「個人というより、FWみんなのトライ」と謙そんしたが、トライの瞬間はド派手なガッツポーズで仲間と喜び合った。

 6日の帝京大戦は17―49と完敗。佐藤自身も不甲斐なさに打ちのめされた一戦が、再出発の日となった。翌週のFWミーティングでは、午後9時開始から日付が変わるまで激論を交わし、本音をぶつけた。2年の佐藤も上級生に遠慮なく、「(大学選手権決勝まで)残り9週間、俺はラグビーに懸ける。みんなも懸けてほしい。この負けは変わるチャンスだ」と呼びかけた。その後の練習では「雰囲気づくりにこだわると決めた。一番しゃべり、雰囲気をつくることにフォーカスした」という。

 FW第3列としては決して大きくないため、桐蔭学園高時代から将来のフッカー転向を公言し、昨季終了後から本格挑戦している。リーグワンや下部カテゴリーの社会人チームとの合同練習では、必ずフッカー選手に助言を求め、自分の血肉としてきた。休養日には同期のフランカー選手をグラウンドに連れ出し、ひたすらスローイングの練習を繰り返した。この日のラインアウトは近場へのサインが多く、「信頼はされていると思うけど、雨でも後ろに投げさせてもらえるようにならないと」とどん欲。「スクラムは40点、ラインアウトは50点」と自己採点も厳しめだった。

 「海外では19、20歳での代表入りが当たり前」と、目標は日本代表入り。それも「なかなか(今後の大学の試合は)見てもらえないと思うけど」と、来年のW杯代表入りも決して諦めていない。「少し(パーマを)当てました」とおしゃれになった髪をいじりながら笑った佐藤。次の舞台となる早明戦(12月4日、国立)でも、熱くひた向きにボールを追い掛ける。

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2022年11月23日のニュース