炎鵬が2分25秒の大熱戦を制して勝ち越し 諦めかけた時、脳裏に浮かんだ“伝説の死闘”

[ 2022年11月23日 17:35 ]

大相撲九州場所11日目 ( 2022年11月23日    福岡国際センター )

<九州場所 11日目>東白龍(右)を下手投げで破る炎鵬 (撮影・成瀬 徹)
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 十両・炎鵬(28=宮城野部屋)が東白龍(26=玉ノ井部屋)との2分25秒の大熱戦を制して勝ち越しを決めた。

 得意の左を差した炎鵬は相手の左脇に頭を入れて首を極められる苦しい体勢に。何度も投げやひねりで崩したが東白龍もしぶとくこらえた。最後は炎鵬が右前ミツ、左下手を引きつけながら渾身の寄りで前に出ながら左下手投げを決めた。今場所一の大熱戦に、幕内土俵入り前の館内は大きな拍手に包まれた。炎鵬は取組後、息絶え絶えで「疲れました」と一言。その後「途中で意識が遠のいて覚えてないですね。気持ちだけで取っていました」と死力を尽くした大熱戦を振り返った。

 首を極められる苦しい体勢が2分も続いたため「何回も諦めかけた」という。そこで脳裏に浮かんだのは、3年半前の“伝説の死闘”だった。新入幕だった19年夏場所、7勝7敗同士で迎えた千秋楽の松鳳山戦。47秒の激しい攻防の末、惜しくも敗れたあの一番だ。「途中でその相撲のことを思い出して“あの時あれをしたから負けたな”と思いながら“それだけはしないように、同じことは二度ないように”と思っていきました」。あの時の悔しさが、諦めかけたこの日の炎鵬を奮い立たせた。「苦しくても我慢…と思って。やっぱり経験が一番だと思いますね」。我慢してつかんだこの1勝は、今後につながる大きな意味を持つ白星となった。

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2022年11月23日のニュース