荒川静香さん、樋口新葉ら青学大で課外授業「フィギュアは年齢とともに経験にじみ出る」

[ 2022年9月22日 17:22 ]

青学大での特別課外授業に参加した(左から)AYA、荒川静香さん、樋口新葉
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 フィギュアスケート女子で06年トリノ五輪金メダルの荒川静香さん、北京五輪団体戦銅の樋口新葉(明大)、フィットネスモデルのAYAが22日、都内の青学大でプーマ主催の特別課外授業に参加した。

 「SHE MOVES US~私たちが今を変える~」をテーマに青学大の女子学生および陸上競技部短距離ブロックを対象に実施。荒川さんは「チャレンジした数に対し、競技人生を懸けて成し遂げたものは1つ、2つの感覚。オリンピックはハイライトだけど、失敗している数の方が多い」と自身の道のりを振り返り「どんなキャリアを積むかより、何と向き合うかが大きかった」と力説した。

 フィギュア界では、国際大会に出場できる年齢が15歳から17歳に段階的に引き上げられた。24歳で五輪金メダルを獲得した荒川さんは「年齢の若い選手が大きな大会で勝つことが昔から多い。15、16歳で頂点に到達した選手が、その後キャリアを積んだかというとそうではない。そこに至るまで酷使した体だけでなく精神的な部分でも、それ以上に進むことができなくなってしまった選手が多かった」と指摘。

 その上で「フィギュアは年齢とともに経験してきたものがにじみ出せる、醸し出せるものが変わっていく。いろんな観点から向き合い、生きざまとして得点に表れる」とし、26年ミラノ五輪の出場条件を満たせない13歳の4回転ジャンパー・島田麻央(木下アカデミー)を引き合いに「21歳が初めての五輪だと、選手の運命は変わることは変わる。21歳までやったら積み上げてきた良さがある。(メダルを)何回狙えたかは変わるが、選手としては長く頑張ることにつながれば、ルール改正もその後の人生にとって役に立つと願っています」とした。

 フィギュアの年齢引き上げについて樋口は「(以前は)深く考えなくてもジャンプが跳べた。スケートだけのことだけしか考えなくても生きてこられた」と振り返りつつ「(平昌落選から)4年間で体についてもいろいろ知ることができた。いろいろな経験をしてきた。五輪に出て、結果を残し、自分の中で大きく成長できた。これからの人生に生きてくる」と強調。「ジャンプだけでなく自分の表現や細かい部分で経験してきたことをスケートに出せる。年齢制限が上がることで、深みなどスケートの魅力を出せる選手が増える」と語った。

 今後の目標について樋口は「まず全日本選手権で1度も優勝したことがないので、そこが一番の目標。もっともっとレベルアップできるように頑張りたい」と意気込んだ。

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2022年9月22日のニュース