【玉ノ井親方 視点】混戦V争いは3敗・翔猿が優位 歯切れ良い相撲で錦富士に快勝

[ 2022年9月22日 19:41 ]

大相撲秋場所12日目   ○翔猿(押し出し)錦富士● ( 2022年9月22日    両国国技館 )

<大相撲秋場所12日目>錦富士(右)を攻める翔猿(撮影・郡司 修)
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 誰が最後に勝ち残るのか、全く分からない展開になってきた。

 その中で面白い存在は翔猿だ。既に上位との対戦をほぼ終え、番付が上で残る相手は関脇・大栄翔ただ一人。取組上、優位な状況にあるのは間違いない。

 この日は翔猿らしい歯切れの良い相撲で、2敗の錦富士を引きずり下ろした。立ち合いから低く当たって前に出る。低い姿勢のまま突き放していき、体勢を崩さない。錦富士が我慢しきれずに引いたところを見逃さず、一気に土俵の外まで押し切った。

 1メートル74、133キロと幕内力士の中では小兵だが、今場所は攻めが厳しく、簡単に引かないところが良い。6日目から7連勝で、優勝争いのチャンスに付けていることあり、気合も入っている。今、自分ができることを精いっぱいやろうという感じで、思い切りの良い相撲を取っている。

 あす13日目は、北勝富士との3敗対決だ。私は12勝3敗が優勝争いの1つのラインと見ており、その生き残りを懸けた一番となる。北勝富士は馬力があって、出足も良い。右四つの形でも取れるので、安易に組もうとすると危険だ。翔猿は立ち合いでしっかり当たってから、下から押し上げていきたい。まわしを取るにしても、まず押し込んでから、自分の形に持っていくようにしないと、苦しい展開になるだろう。 (元大関・栃東) 

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