御嶽海が大関陥落 在位4場所は4番目ワースト記録、理事長「負けた顔に精神的弱さ出ている」

[ 2022年9月22日 05:30 ]

大相撲秋場所11日目 ( 2022年9月21日    両国国技館 )

大関陥落が決まり肩を落とす御嶽海(撮影・藤山 由理)
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 カド番の大関・御嶽海が佐田の海に敗れて3勝8敗と負け越し、来場所の関脇転落が決定した。新大関から在位4場所での陥落は、現行のカド番制度となった69年名古屋場所以降では4番目のワースト記録。大関陥落は昨年秋場所の朝乃山以来で、最近5年間で8例目となった。平幕の玉鷲が北勝富士との1敗対決を制して単独首位に立ち、2敗で北勝富士と錦富士。高安は3敗に後退した。

 カド番大関の負け越しに館内が騒然とする中、御嶽海は西の控えで結びを見守った。早く花道を引き揚げたかったはずだが、現実は非情だ。寂しげで今にも泣き出しそうな表情。八角理事長(元横綱・北勝海)も「顔がね。負けた時の顔に精神的弱さがもろに出ている」と指摘した。

 3勝7敗で迎えた佐田の海戦。立ち合いで中に入られると、挟みつけるようにして前に出るがおっつけが甘く圧力がかからない。上体だけで出ているから相手のいなしに簡単に前のめりとなって土俵下に転落した。長野県出身では江戸時代の1795年(寛政7)の伝説的力士、雷電以来227年ぶりの新大関と注目を浴びた。だが、その地位をわずか4場所で失うことになった。

 元来稽古嫌いと言われ、基礎運動中心のトレーニングを重視する。体幹の強化など効果はあっても、肝心な土俵での稽古の少なさが実戦感覚の鈍さを呼んでいる。5月の夏場所初日に右肩を負傷した影響も少なくなかった。名古屋場所がコロナ休場で異例のカド番継続となり、場所前はコロナ禍前に頻繁に通った春日野部屋へ出向くなど精力的に汗を流した。「しっかり大関の仕事を果たして、その中で自分の相撲を忘れないように」と意気込みを示していたが、序盤から負けが込み淡泊な内容も目立った。

 来場所10勝以上で復帰できるが、12月に30歳。八角理事長も「年を取ると重さを取り戻すのが厳しくなる。稽古するしかない。生活面なども見直し、人生懸ける気持ちでやらないと」と期待するが、御嶽海の前途は多難と言わざるを得ない。

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2022年9月22日のニュース