前アマチュア世界1位・中島啓太「ボールが揺れて見えました」という緊張のプロデビュー戦は19位発信

[ 2022年9月22日 19:02 ]

<パナソニックOP・第1日>9番、アプローチを放つ中島啓太(撮影・井垣 忠夫)
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 男子ゴルフのパナソニック・オープン(賞金総額1億円、優勝賞金2000万円)は22日、兵庫県小野市の小野東洋GC(7113ヤード、パー72)で開幕し、時折、激しく雨が降る中、第1ラウンドを行った。

 昨年のこの大会の覇者で前世界ランキング1位の超大物新人・中島啓太(22=フリー)が待望のプロデビューを果たした。注目の初日は3バーディー、ボギーなしの69にスコアをまとめ、首位に4打差の3アンダー、19位とまずまずのスタートとなった。

 いつもと様子が違う。アマチュア世界最高の男の記念すべきプロデビュー戦。1番ティーイングエリアに立った中島の手は激しく震えていた。

 「(コース)メモを見てても震えているのが分かりましたし、バックスイングの時、ボールが揺れて見えました。予想外でした」

 安全策をとって4Iを手にした第1打。ダフりミスをギリギリ回避したが、打球は大きく右にそれてラフへ。ここから苦難の一日が始まった。緊張から体はガチガチ。2、5、6、7番では予定していた1Wでの第1打を刻みに切り替えてとにかく広い方へ。11番パー5では残り85ヤードの第3打を60度のウエッジでピン左1・5メートルに運ぶなど後半のインで3バーディーを奪ったが「普段通りだなと思えたのは17、18番に来てからでした」と緊張がほぐれたのはスタートから6時間以上が過ぎてからだった。

 21日は午後10時に就寝したが、午前2時に目が覚めて以降は寝付けず、まどろみながら朝を迎えた。

 4月のマスターズでは「水の中にいるような息苦しさ」、6月の全米オープン、7月の全英オープンでは「人の多さに飲み込まれるような」と海外メジャー特有の重圧を感じたが、その時とは全く違う緊張感に襲われたという。

 ただ、ホールアウト後の中島は笑顔。苦しい一日を「楽しかった」と振り返った。この日は飛距離で50ヤード先を行く日体大の1年先輩・河本力と賞金ランキング首位を走る比嘉一貴と同組。途中「やっと乗り越えたね」と緊張をほぐしてくれた比嘉の“神対応”も中島にはうれしかった。

 「優勝を目指していることに変わりはないので。きょうが一番悪い日になるようこれからどんどん上げていけるように頑張ります」

 極度の緊張の中、ボギーなしで切り抜けたのはアマ世界一の証し。倉本昌弘、石川遼、松山英樹、金谷拓実、自分と同じアマチュア優勝を快挙を成し遂げた先達も成し遂げられなかったをプロデビュー戦Vへここから本当の底力を見せる。

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