【玉ノ井親方 視点】優勝争いは12勝3敗がライン 高安は良い時の状態に戻ってきている

[ 2022年9月20日 19:59 ]

大相撲秋場所10日目   ○高安(押し倒し)北勝富士● ( 2022年9月20日    両国国技館 )

照ノ富士(右)を押し出しで破る高安(撮影・久冨木 修)
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 高安が全勝の北勝富士を引きずり下ろした。

 攻め込まれはしたが、すぐに押し返し終始落ち着いて取った。相手に左からおっつけられ体勢を崩されそうになっても、逆に右をねじ込んで前に出た。その圧力に北勝富士の足が流れるような形になり膝から崩れた。

 北勝富士にとっては悔やまれる一番。立ち合いの当たりは良かったが、途中から足が付いていかず、止まってしまった。気持ちがはやってしまったのかもしれない。

 これで全勝力士がいなくなり、混戦ムードが色濃くなった。私は12勝3敗が1つのラインになると見ており、高安、玉鷲、若隆景の3人が有力だろうと予想している。

 高安は良い時の状態に体も戻ってきている。自分から前にているし、圧力もある。

 怖いのは玉鷲だ。出足が良い上に突き上げる力もある。御嶽海戦は引いてしまったが、圧力をかけている分、引き技も通用する。相手がはたきをくうのもそれだけ圧力がある証拠だ。
 優勝経験もあり、あす11日目の北勝富士戦に勝てば一気に乗っていきそうだ。

 7連勝の若隆景は、相撲内容が良くなってきた。宇良戦は終始、前傾姿勢を保って攻めていた。なかなか体勢が崩れないので、相手も苦し紛れの技を出すしかなかった。このまま我慢して、自分の相撲を取り続けていけば、道は開けてくるだろう。(元大関・栃東)

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2022年9月20日のニュース