高安「我慢して」照ノ富士撃ち金星 史上2番目ブランク46場所ぶり 逆転賜杯へ2敗守った

[ 2022年9月20日 04:20 ]

大相撲秋場所9日目 ( 2022年9月19日    両国国技館 )

照ノ富士(右)を押し出しで破る高安(撮影・久冨木 修)
Photo By スポニチ

 西前頭4枚目の高安が横綱・照ノ富士を押し出し、大関陥落後初めて、通算5個目の金星を獲得した。46場所ぶりの金星は、昭和以降の新入幕力士では麒麟児の47場所に次ぐ2番目に長いブランク。この日は今場所6日目に続いて上位陣が総崩れした。昭和以降に横綱、大関が全員出場しての総崩れが1場所で2度も起こるのは初めて。

 32歳ベテランがしぶとく金星をつかんだ。高安は立ち合いから右おっつけなど照ノ富士につかまらない距離を保った。相手が出てくれば俵伝いに回り込み、波乱を期待する館内のボルテージが上がる。右の蹴返しを試みた横綱の上体が起きると、「ここだ」と低い姿勢で一気に押し出し。徹底して組まず、相手を慌てさせ「我慢して相撲を取れたと思います」と胸を張った。

 場所前は伊勢ケ浜部屋へ出向き、横綱に胸を出してもらった。「いい稽古ができて(本場所で)恩返しできたと思います」。自身がまだ幕下以下の時代には兄弟子の稀勢の里(現・二所ノ関親方)と伊勢ケ浜部屋の安馬(のちの横綱・日馬富士)がライバル心を燃やして激しい稽古を繰り返していた。その姿を目に焼き付けており、32歳でも飽くなき向上心を持っている。

 10日目は全勝で優勝争いトップの北勝富士と対戦。勝てば1差に縮まる。「いい気持ちで、明日(10日目)もやりたい」。金星の余勢を駆り、逆転初優勝を狙う。

続きを表示

2022年9月20日のニュース