16年ぶり横綱&大関総崩れ 宇良が波乱締め金星!照ノ富士を5度目で初撃破

[ 2022年9月17日 05:20 ]

大相撲秋場所6日目 ( 2022年9月16日    両国国技館 )

照ノ富士を破り懸賞金を受けとる宇良(撮影・郡司 修)
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 平幕・宇良が横綱・照ノ富士を寄り切って、1横綱5大関だった2006年秋場所6日目以来16年ぶりに、全員出場しての横綱、大関総崩れを演出した。5度目の照ノ富士戦で初勝利を挙げるとともに、17年名古屋場所での日馬富士戦以来、5年ぶり2個目の金星も獲得。全勝は玉鷲、北勝富士の平幕2人。1敗で平幕の高安、若元春、王鵬が追う。

 照ノ富士を寄り切った土俵際、顔を上げた宇良は荒い息を繰り返した。興奮も歓喜も、表情にない。それでも全力を出し切った充実感に満ちていた。

 「精いっぱいやるだけなんで。力いっぱい出し切ろうと。出し切ることで精いっぱいでした」

 5年ぶりの金星は相撲を始めてから26年磨く、押し相撲でつかんだ。低姿勢でぶつかること6度目。反応に遅れた横綱の懐に食いつき、土俵外へ走った。膝の故障などで幕内から序二段まで陥落して復活した同じ境遇の横綱から5度目の対戦で初めて勝利した。

 4日目は宝富士を幕内では20年ぶりの決まり手「伝え反り(つたえぞり)」で破った。02年秋場所で朝青龍が貴ノ浪に繰り出して以来。技巧派で「業師」のイメージだが、4歳で大阪・寝屋川相撲連盟で始めてから追求したのは押し相撲だった。

 「押すことしか教わらなかった。技を使うと怒られた」。共に稽古に励んだ多田羅泰貴監督(37)は中学時代、50キロで100キロの相手に真っ向勝負した姿が印象的とし、「業師」との呼び名に「理想はそこじゃないと思う。それで体を大きくしている」と今場所151キロに仕上げた鍛錬に敬服する。

 正代、貴景勝、御嶽海。3大関全員に土がついた後、一人横綱を破って上位陣総崩れも完結させた。場内の拍手にも「分からないです」と繰り返した宇良だが、宝富士戦後に元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏が「上手(うま)いよね。変なひねりないように!ケガしないように頼む」とツイートしたことを伝え聞くと、「見ていただいてうれしいです」と初めて表情を崩した。中盤戦以降も土俵の主役を担いそうだ。

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2022年9月17日のニュース