【二所ノ関親方 真眼】ベテラン玉鷲 圧巻だったぶれないぶちかまし

[ 2022年9月17日 05:20 ]

大相撲秋場所6日目 ( 2022年9月16日    両国国技館 )

貴景勝をはたき込みで破る玉鷲(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 1横綱3大関が全員敗れる大荒れの一日。心配なのは、いずれも相手に先手を取られていたことです。平幕勢はしっかりと研究している取り口でしたが、特筆すべきは貴景勝を撃破したベテラン玉鷲です。

 勝負は一瞬で決まっても見応え十分の内容でした。出足鋭く、そして速く。当たった時点で大関の足が流れて完全に崩されていました。土俵下から見ていて、ぶれないぶちかましは圧巻の一言。針の穴を通すかのような精度で突き刺すような当たりでした。

 37歳でこの強さは日頃の鍛錬のたまもの。年齢を重ねると、ついまわしを取ったり小細工をしてケガをすることが多くなる。玉鷲は突き押し1本で常に攻めの姿勢があるからケガをしない。ひとつのことをやり続ける生きざまは魅力的です。

 今場所は立ち合いの精度が抜群で、相手によく圧力を伝えることができています。勢いに乗った時の強さは3年前の優勝で実証済み。波乱の場所を引っ張っていく存在になりそうです。(元横綱・稀勢の里)

続きを表示

2022年9月17日のニュース