レスリング元アジア王者・欧山田が序ノ口で勝ち越し 世界選手権で活躍する“戦友”から刺激

[ 2022年9月17日 11:04 ]

大相撲秋場所7日目 ( 2022年9月17日    東京・両国国技館 )

<秋場所7日目>里田中(左)を押し出しで破る欧山田(撮影・藤山 由理)
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 レスリングのフリースタイル86キロ級元アジア王者の序ノ口・欧山田(23=鳴戸部屋)が里田中(15=西岩部屋)を押し出して4連勝。今場所第1号となる勝ち越しを決めた。

 立ち合い頭で当たって下から押して一気に前に出て押し出し。「引いたりすればもっと簡単に勝てるけどそれでは実力がつかない」と前に出る相撲を心掛けており、この日は師匠の鳴戸親方(元大関・琴欧洲)が土俵下で見守る前で押し相撲に徹した。

 欧山田は秋田商高、山梨学院大でレスリング部に所属し、全国トップレベルで活躍してきた。東京五輪を目指せるほどの実力だったが、19年12月の全日本選手権準決勝で高谷惣亮(ALSOK)に敗れてその夢は断たれた。「もうちょっと頑張ったらもしかしたら東京五輪に出られたんじゃないかという後悔もある。でも相撲の世界に来たので、そういう未練は浄化させてきた」。思い切って未知の世界へ飛び込み、今年の夏場所で初土俵を踏んだ。

 現在、セルビア・ベオグラードでレスリングの世界選手権が開催されている。東京五輪代表を争った高谷惣亮はフリースタイル92キロ級で、自身が主戦場としていたフリースタイル86キロ級では白井勝太(クインテット)がそれぞれ2回戦で敗退した。86キロ級の決勝はこの日未明に行われ「イランと米国の選手が強い。リアルタイムでは見てないけど知っておきたかった」と今朝結果を確認したという。かつて日本代表を争った戦友たちの姿を見て「刺激をもらいながら頑張ろうという気持ちになっています」と力に変える。

 ――レスリングで果たせなかった夢を大相撲で――「幕内ぐらいまで上がれれば」と新たな世界で大きな夢を見据えた。

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