御嶽海 カド番「原点回帰」で快勝「しっかり自分の相撲を徹底してやろうと思った」

[ 2022年9月12日 05:00 ]

大相撲秋場所初日 ( 2022年9月11日    両国国技館 )

押し出しで翠富士を破る御嶽海(右)(撮影・西海健太郎)
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 コロナ休場明けでカド番継続となった大関・御嶽海(29=出羽海部屋)が、翠富士(26=伊勢ケ浜部屋)を押し出して白星発進した。正代(30=時津風部屋)は翔猿(30=追手風部屋)に快勝し、4場所ぶりの初日勝利。貴景勝(26=常盤山部屋)は先場所初優勝の小結・逸ノ城(29=湊部屋)に押し出された。新型コロナ感染対策により、今場所の観客上限は約87%の9265人で開催される。

 まるで重戦車のごとく御嶽海が突進した。立ち合いで左を強引にねじ込みながら圧力をかける。苦し紛れに翠富士が肩透かしで逆転を狙うもお構いなし。迷わず攻めて一気に押し出した。大関初挑戦の相手に厳しい相撲を見せての好発進。「しっかり自分の相撲を徹底してやろうと思った」と表情を緩めた。

 カド番が2場所続く心身ともに過酷な状況の中、らしさ全開の内容で不安を一掃。テーマは2つの「原点回帰」だった。カド番で迎えた名古屋場所は序盤から負けが込み、部屋でコロナ感染者が出た影響で7日目から休場。不本意な内容で場所が終わる中、自分を見つめ直す時間ができた。「自分の相撲を忘れかけていた」。大関昇進後、受けて立つ身となり失っていたがむしゃらに前に出る挑戦者の姿勢。それが大切だと思い直した。

 場所前の出稽古解禁期間にはコロナ禍前に常連だった春日野部屋に出向き、碧山、栃ノ心の胸を借りた。ともに1メートル90以上で自分より体重の重い2人との稽古で「重み」を強化。戻ってからの部屋の稽古では相手を吹っ飛ばすほど効果があり「若い衆が残せない。それくらいの感覚を取り戻せた」と語った。

 今場所は3関脇、3小結と役力士が増加。大関候補の突き上げも激しくなり「しっかり大関の仕事を果たして、その中で自分の相撲を忘れないように」と表情を引き締める。

 大関の仕事って何だ!2桁勝利、そして優勝争い。それは十分心得ているはずだ。

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2022年9月12日のニュース