~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑧ 頭を右に動かし自然なスイングを身につける

[ 2022年8月26日 12:00 ]

~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑧ 頭を右に動かし自然なスイングを身につける
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 今まで正しいと思っていたスイング理論が、間違っていることは珍しくありません。例えばスイング中に頭を動かしてはいけないというのもその1つ。奥嶋誠昭コーチによれば、逆に頭を動かさないことの方がミスショットにつながりやすいと言います。そこで今回は頭をどのように動かせば良いかについて説明します。ボールを真っすぐ飛ばす秘けつにもなります。日大ゴルフ部OGの加藤みなみさんがアシスタント役を務めます。 動画で見る・~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑧

 
 加藤 私がゴルフを始めた当初は、スイング中に頭を動かさないようによく注意されました。頭の上にクラブやスティックを置かれた状態でスイングしたものです。
 
 奥嶋 昔はその理論が正しいとされていましたからね。
 
 加藤 えっ、昔の話なんですか!?頭を動かさない方がアドレスした位置にクラブを戻しやすいのでは?
 
 奥嶋 本当にそう思いますか?試しに素振りでいいので、いつものスイングをして下さい。
 
 加藤 分かりました。大体こんな感じで振っていると思います。
 
 奥嶋 ほらっ、バックスイングのときに頭が右へ動いているじゃないですか。それが加藤さんの自然な動きなんですよ。今度はスティックで頭を抑えるので、頭を動かさずにスイングしてみましょう。
 
 加藤 あれっ、思うように体が回りません。
  
 奥嶋 そうなりますよね。もしくは、無理に回そうとすると左肩が下がり、頭が目標方向に動きます。体重が左足に多く乗った形です。こうなると、ダウンスイングでは右足に体重が乗るので、ギッタンバッコンのスイングになるんですよ。当然、ミスショットの確率も高くなります。実は、頭を動かさないことを心掛けるあまり、目標方向に動いてしまうアベレージゴルファーは少なくありません。先ほどの加藤さんのように、頭を少し右に動かしたほうが、結果的にバランスのいいスイングができるんです。事実、ツアープロのスイングを見ると、間違いなく頭が右に動いていますからね。
 
 加藤 頭が右に動くとどのようなスイングになるんですか?
 
 奥嶋 バックスイングでしっかりと体を回すことができます。さらに、真っすぐなインパクトゾーンもつくれるので、飛んで曲がらないボールを打てる確率が高くなります。ただし、1つだけ条件があります。それは、バックスイングで右に動かした分、ダウンスイングでは元の位置に頭を戻すことです。頭を半個分動かしたら半子分戻し、1個分動かしたら1個分戻します。
 
 加藤 頭を元の位置に戻すことって意外に難しいと思いますが、何かドリルはありますか?
  
 奥嶋 足元にスティックやゴルフクラブを置いた状態でボールを打ってみましょう。アドレスで顔の左サイドの真下にスティックまたはクラブが来るようにセットします。あとは、ダウンスイングからインパクトまでの間に下に置いたスティックのところまで頭を戻します。何も置かないより、目印があったほうが戻しやすいはずです。
 
 加藤 なるほど。確かに目印があったほうが戻しやすいですね。
 
 奥嶋 うまく戻せるようになったら、目印無しでボールを打ってみましょう。当たらなくなってきたと思ったら、またスティックを置いて練習します。何度も繰り返すうちに、スティック無しでも頭を元の位置に戻せるようになります。
                        
 (取材協力=ヒルトップ横浜クラブ)

 ◆奥嶋 誠昭(おくしま・ともあき)1980年(昭55)3月26日生まれ、神奈川県横浜市出身の42歳。10歳からゴルフを始める。堀越高から米大学留学を経てレッスン活動をスタート。これまでに谷原秀人や一ノ瀬優希らのコーチを務め、現在は稲見萌寧、木下稜介らの指導を行っている。
 
 ◆加藤 みなみ(かとう・みなみ)1997年(平9)5月13日生まれ、栃木県佐野市出身の25歳。12歳でゴルフを始める。日大卒。大学時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは72。将来の活躍が期待される女子ゴルファーを応援するプロジェクト「白金台女子ゴルフ部」のマネジャーとしても奮闘中。

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