コービー・ブライアント氏のバネッサ夫人が勝訴 遺体写真共有の警察と消防当局に1600万ドルの支払い

[ 2022年8月25日 11:15 ]

裁判所をあとにするバネッサ・ブラアントさん(中央)と長女のナタリアさん(左=AP)
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 NBAレイカーズの元スーパースター、故コービー・ブライアント氏(享年41)のバネッサ夫人(40)がロサンゼルス郡の警察と消防当局に対して求めていた損害賠償請求で、ロサンゼルス連邦裁判所は24日、1600万ドル(約21億9000万円)の支払いを認めた。

 ブライアント氏は2020年1月26日、次女ジアナさん(当時13歳)を含む計9人が乗っていたヘリコプターの墜落事故で死亡。その際、事故現場で撮影した同氏やジアナさんの遺体の写真が警察官や消防士の間で共有され、警察官がいたバーのバーテンダーまでこの写真を入手していたことから、原告となったバネッサ夫人側は「写真の共有は興味本位であり、プライバシーの侵害。精神的苦痛をもたらした」として裁判所に訴えていた。

 8月24日はブライアント氏が付けていた2つの背番号にちなみ、地元のロサンゼルスとオレンジ両郡では「コービー・ブライアント・デー」という祝日。しかも前日の23日はブライアント氏の44回目の誕生日で、11日間におよんだ審理はレイカーズの元スーパースターと縁のある日に原告側勝訴という形でピリオドを打った。

 ロサンゼルス郡側の弁護士は「写真を共有するべきではなかったが事故の状況把握には必要だった」としたものの、その弁明は退けられた形。バネッサ夫人側は陪審員に対して賠償金額は提示していなかったが、協議の結果、1600万ドルという額に落ち着いたもようだ。

 なお同じ墜落事故で妻と娘を亡くしたクリス・チェスターさんにも同様の提訴で1500万ドル(約20億6000万円)の損害賠償が認められた。

 AP通信によれば審理期間中、バネッサ夫人は涙を浮かべながら証言。最愛の夫と娘を失った悲しみは今もなお消えておらず、2人がまだ生きているような感覚に襲われてパニック発作を起こす現状を訴えていた。

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