学生横綱・川副、焦った…身長1センチ足らず“物言い”

[ 2022年8月25日 04:30 ]

新弟子検査を終え、安どの表情を見せる川副圭太(代表撮影)
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 大相撲秋場所(9月11日初日、両国国技館)の新弟子検査が24日、東京・両国国技館で行われ、4人が受検した。昨年の学生横綱で日大を今春卒業した川副圭太(23=宮城野部屋)は1メートル66、110キロで体格基準(身長1メートル67、体重67キロ以上)には満たなかったが、幕下15枚目格付け出しの資格でパス。日大相撲部で川副と同期の石岡弥輝也(23=伊勢ケ浜部屋)ら他の3人は基準を満たした。内臓検査の結果を待ち、初日に合格者が発表される。

 検査係の伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)らから耳を疑う“物言い”がついた。「付け出しでも身長が足りなかったらダメでしょ」。川副の身長測定の結果は1メートル66で規定に1センチ足りなかった。

 事前に担当者から付け出し力士は体格基準の対象外と説明はされていたが、幕下15枚目格付け出しで体格基準に満たなかった例はなく、規定がうまく伝わらなかったとみられる。「やっとケガが治って入れると思ったのに」と想定外の事態に川副は大いに焦った。

 「背伸びをしようと思ったんですけど(親方衆の)視線が凄かったのでできなかった。落ちたかと思った」

 その後、正式な規則が明記された書類が係員から示され、事なきを得た。あわや不合格の窮地を脱した小兵は「(落ちることは)ないと聞いてたんですけど…そのために付け出し(資格を)取ったようなものなので」とホッとした笑顔を見せた。

 前日は高砂部屋へと出稽古に行き、師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)が「別格」と評す朝乃山と対面した。「筋肉のよろいみたいな感じ」と元大関の肉体に驚嘆。相撲は取らなかったが、幕下での番付も近くなることが予想される。デビュー場所での対戦を見据え「ワクワクしています。胸を借りるつもりで、でも倒しにいきます」と気合を入れた。

 ▽新弟子検査の体格基準 12年夏場所から、1メートル67、67キロ以上(毎年春場所は中学卒業見込み者に限り1メートル65以上)で合格という規定に。それ以前は1メートル73、75キロ以上が基準だった。過去には舞の海(現タレント)が頭にシリコーンを入れて身長を伸ばしたことや、1メートル63の爆羅騎(ばらき、現三段目)が背伸びをして合格した例もある。

 ◇川副 圭太(かわぞえ・けいた)1999年(平11)4月10日生まれ、熊本県宇土市出身の23歳。小1の時に宇土少年相撲クラブで相撲を始め、鶴城中3年時に全中準優勝、白鵬杯優勝。文徳高2年時に国体少年の部優勝。日大4年時に全国学生選手権優勝(学生横綱)。得意技は押し、出し投げ、うっちゃり。1メートル66、110キロ。血液型AB。 

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