「スクラム好きのええおっちゃん」 17日に急逝したカンビーのため、神戸は一丸で6勝目を目指す

[ 2022年4月21日 17:23 ]

全体練習の終わりに円陣を組む神戸フィフティーン
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 ラグビーリーグワン1部の7位・神戸(旧神戸製鋼)は23日、東京・江戸川区陸上競技場で2位・東京ベイ(旧クボタ)と対戦する。去る17日に“カンビー”の愛称で親しまれたスティーブ・カンバーランド・ヘッドフォワードコーチが57歳の若さで急逝。東京ベイ戦はニュージーランドからやってきた恩師に勝利を手向ける一戦となる。

 「僕が神戸に在籍している限り、カンビーが残してくれたレガシーを受け継ぎ、若い選手たちに引き継いでいきます。天国で安心しておいしいビールが飲めるようにいいスクラムを組みます」

 カンバーランドさんと同じ2008年に神戸入りした右プロップ山下裕史(36)がチームメートを代表して東京ベイ戦にかける思いを語った。

 「スクラム好きのええおっちゃんでした。フロントローに新人が入ってくると、いっしょに一気飲みしたりして。ラグビー=スクラム。そういう昔気質の人でしたね。3番はチームで一番元気でなきゃいけない。元気印でいろとよく言ってました。あと、ハーレーも好き、ゴルフも好きな人でした」

 試合当日はジャージーの袖に喪章を付けて戦う。日本ラグビー界でカンバーランドさんの死を惜しむ声は大きく東京ベイ―神戸戦以外の試合会場でも黙とうがささげられる。

 3試合を残し、4位・横浜(旧キヤノン)との勝ち点差は14。ボーナス点1を加える3トライ差以上の3連勝で、わずかながら上位4チームによるプレーオフ進出の可能性は残されているが、その可能性も4位・横浜、5位・BL東京(旧東芝)が残り3戦で1勝すれば、消滅する。

 前節の埼玉遠征にも元気で同行していたカンバーランドさんの突然の死は追い詰められたチームにさらに追い打ちをかける大きな痛手となったが「一回、落ちてしまったんですけど、今はコーチのために頑張ろうといういい方向に向かっている思います」と東京ベイ戦で自身初の先発出場を果たすフランカー井上遼(25)。深い悲しみを乗り越えて勝利を目指す。

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