廃部の日本電産サンキョーに感謝 高木菜那「感謝しかない」

[ 2022年4月5日 13:50 ]

<高木菜那引退会見>会見に臨む高木菜那(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 スピードスケート女子で18年平昌五輪で2つの金メダルを獲得した高木菜那(29)が5日、東京都内で会見を開き、現役引退を発表した。高校卒業後から所属していた日本電産サンキョーのスケート部も、3月末で廃部。高木菜は「引退するまで11年間、スケート部の一員として活動させてもらい、ありがとうございました」と感謝の気持ちを述べた。

 高木菜は11年4月に入社。「高校時代はほとんど結果を残していなかった」と妹・美帆の陰に隠れた存在だったが、長島圭一郎や加藤条治といった五輪メダリストたちと同じ環境でスピードスケートに取り組み、メキメキと頭角を現した。14年ソチ五輪で初出場し、18年平昌、今年の北京五輪は2大会連続でメダルを獲得。「長島さん、加藤さんが今でも連絡を取ってくれて助言をくれる。この人たちがいなかったら、五輪に3度も出ることもなかった」と感謝した。

 日本のスピードスケートは14年ソチ五輪でメダルなしに終わった後、オランダ出身のヨハン・デビット氏がコーチに就任し、大躍進を遂げた。デビット氏が来日したのも、同社が高木菜らをソチ五輪後に長期派遣したことがきっかけ。「オランダに行ったことでヨハンに出会い、一緒に練習する環境になった。電産がなければオランダには行かず、ヨハンと出会うことはなかった」と振り返った。

 平昌五輪で2個の金メダルを獲得した際には、カリスマ経営者で知られる同社の永守重信会長のポケットマネーから4000万円もの報奨金が贈られるビッグサプライズもあった。高木菜は最後まで恨み節一つ口にせず、「最後まで応援してくださった会社には感謝しかない。(廃部は)さみしいが、感謝しかない」と話した。

続きを表示

この記事のフォト

2022年4月5日のニュース