大西翔太〝即効〟ラウンド術⑨ ロングパットの距離感

[ 2022年3月11日 12:00 ]

大西翔太〝即効〟ラウンド術⑨ロングパットの距離感
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 グリーンにボールを乗せたものの、10メートル以上のパットが残ると、どこまで寄せることができるのか不安になりがちです。そこで第9回のテーマはロングパットの距離感が見違えるように良くなる方法を説明します。大西翔太コーチによれば、アベレージゴルファーはストロークに対して大きな勘違いをしていると指摘します。荒川侑奈選手も例外ではありませんでした。勘違いを修正し、ロングパットの距離感を磨きましょう。 動画で見る・大西翔太〝即効〟ラウンド術⑨

 大西 今回は10メートル以上あるロングパットの距離感について、皆さんが陥りがちなポイントを指摘したいと思います。荒川さんはどのようにして距離感を合わせていますか?

 荒川 振り幅を変えて調整していますね。

 大西 問題はその振り幅なんです。アベレージゴルファーの多くは、カップまでの距離が長くなれば長くなるほど、フォロースルーを大きくする傾向があります。ところが、PGAツアーで活躍するトッププロのデータを集めてみると、バックスイングの大きさは変えていますが、フォロースルーは小さいんですよ。

 荒川 えっ、バックスイングが大きくなれば、フォロースルーも大きくなるんじゃないですか?私はバックスイングとフォロースルーの割合を1対2のイメージで打ってました。

 大西 そうじゃなかったんです。インパクトでボールに当たった瞬間にヘッドの出力が小さくなるため、フォロースルーは大きくなりません。それが自然な動きであり、フォロースルーが大きい人は、自分でヘッドを加速させる動きを加えているんです。当然、それでは距離感を合わせにくくなります。

 荒川 あくまでもパターの自然な動きに任せるわけですね?

 大西 正解です。それを実現するドリルがあります。まず、コインなどのマーカーを用意して下さい。それをヘッドの上に乗せてアドレスします。テークバックをしたら、ダウンスイングの切り返しでコインがヘッドから落ちるようにストロークしましょう。

 荒川 あれっ、思うように落ちませんね。

 大西 ポイントはヘッドが上がり切ったところでマーカーが落ちるのが正解です。ダウンスイングの途中で落ちるのはNGになります。これができるようになると、ヘッドがスムーズに動くので距離感も合ってきます。

 荒川 ヘッドを上げ切ったところでマーカーを落とすストロークだと、今までよりもかなりリズムが速くなりますが大丈夫ですか?

 大西 マーカーを落とすには切り返しのスピードが必要ですからね。自分も最初はそれだとインパクトでパンチが入るのではないかと思いましたが、実は逆でフォロースルーを大きくするほうがパンチは入ります。アベレージゴルファーがロングパットでカップを大きくオーバーする原因はここにあるんです。試しにドリルの後、同じイメージでストロークして下さい。

 荒川 ストロークのリズムが今までとまるで違うのに、ボールの転がりがいいし、ラインにも乗せやすいですね。

 大西 ボールをしっかりヒットできる分、転がりがよくなりますからね。慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、ドリルと通常のストロークを交互に行うなど、自分なりに工夫しながらフォロースルーの小さいストロークを身につけましょう。

 (取材協力・船橋カントリークラブ)


 ◆大西 翔太(おおにし・しょうた)1992年(平4)6月20日生まれ、千葉県出身の29歳。12歳でゴルフを始め茨城・水城高ゴルフ部で石井貢監督に師事。卒業後に日本プロゴルフ協会ティーチングプロA級資格を取得。女子プロの青木瀬令奈と契約を結び昨年のサントリー・レディースでは復活優勝に導く。昨年から渋沢莉絵留も指導。妹の葵も女子プロ。

 ◆荒川 侑奈(あらかわ・ゆな)1995年(平7)10月28日生まれ、千葉県出身の26歳。9歳でゴルフを始め関東中学選手権、千葉県ジュニアで優勝。聖徳大付女子高卒。1Wの平均飛距離は250ヤード。

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