公式ウエア提供「ゴールドウイン」細木博文さん、坪井修さん 選手に寄り添うそれぞれの“仕掛け”

[ 2022年3月10日 05:30 ]

アルペンスキーのスーパー複合女子座位で銀メダルを獲得した村岡桃佳(AP)
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 【支える人(5)】パラアスリートの着用するユニホームには、見た目では分からない“仕掛け”がある。今回の雪上競技全ての日本代表に公式ウエアを提供しているのは、スポーツ用品メーカー「ゴールドウイン」。担当の細木博文さん(57)と坪井修さん(53)は、選手それぞれの障がいに合わせた製品開発に携わってきた。

 同社は前回18年平昌に続き、今回で2回目のパラリンピック支援。富山県の本社にある研究施設に選手を招き、動作解析や身体測定、ヒアリングを重ね、製品を開発しては、シーズンごとに改良してきた。

 ウエアは一見、どれも同じに見えるが、実は特徴が異なる。「障がいの度合いだけでなく、それぞれの種目で求められるものが変わってくる」と細木さん。最たる例はアルペンスキー座位のジャケットだ。チェアスキーに座ると、障がいや欠損部分がそれぞれ違うため、座高によって着丈が変わる。細木さんは「個別対応として、それぞれのバランスでオーダーしてもらっている」と説明する。また、ノルディックスキーでは雪上でも発汗性を求められるため、気温や滑走動作を研究しながら意見交換。ワンピースタイプが主流の中、着脱可能な上下セパレートで製作した。

 坪井さんは、選手一人一人の声に耳を傾ける。「気づかないところに不便さを感じている。その感覚を共有することが良いウエアをつくる第一歩」。この4年間、2人が費やした時間は、パラアスリートの活躍で結実する。

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2022年3月10日のニュース