新田 集大成の舞台で8位「良いことも悪いことも経験できた。凄く幸せ」

[ 2022年3月10日 05:30 ]

北京冬季パラリンピック第6日 ノルディックスキー距離 ( 2022年3月9日    国家バイアスロンセンター )

男子スプリント・フリー立位準決勝のレースを終え、引き揚げる新田佳浩
Photo By 共同

 レジェンドの表情は晴れ晴れとしていた。今大会を集大成と捉える41歳の新田は男子距離スプリント(立位)で8位となり、個人種目を終えた。「本当にこの舞台に立ててよかった。思い入れのある大会になった」と涙で感傷に浸った。

 「この4年間は苦しい時期が長かった」と言うように金メダルを獲得した18年平昌大会後はモチベーション維持に悩み、ケガに泣きもした。「良いことも悪いことも経験できた。凄く幸せだった」と達成感を漂わせた。

 3歳の時、祖父・達さんが運転する農機に挟まれて左前腕を失った。好成績を残すことで祖父の自責の念を晴らしたいという願いも、競技続行の原動力だった。初出場の98年長野大会から7大会連続で参加し「ここまで頑張ったから、いいでしょうと言いたい」と穏やかな笑みで亡き祖父に語り掛けた。

 ≪川除は接触転倒、準決勝敗退…≫川除は準決勝で敗退し、2個目のメダルとはならなかった。序盤に中国選手と板が接触し転倒。「自分の不注意。実力不足で、スピードも足りなかった」と反省した。それでも後半は躍動感のある滑りで「今までやってきたことは無駄ではなかった」と手応えをアピール。残る種目は12日のフリー12・5キロと最終日13日のリレー。18年平昌は混合10キロリレーで4位に終わっており「日本チームのためにつなげられれば」と雪辱を見据えた。

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2022年3月10日のニュース