張本、涙の復活V 1年ぶり歓喜に「ただただ、安堵感」 取り戻した強気な姿勢

[ 2022年3月7日 05:30 ]

卓球ライオンカップ・トップ32最終日 男子シングルス決勝   張本智4-2及川 ( 2022年3月6日    東京・アリーナ立川立飛 )

<ライオンカップ男子決勝>優勝して喜ぶ張本 (撮影・白鳥 佳樹)
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 男子シングルスで張本智和(18=木下グループ)が、涙の復活優勝を果たした。決勝で及川瑞基(24=同)を4―2で下し、昨年3月以来となるシングルスのタイトルを獲得。本来の強気なプレーを取り戻し、今大会から始まった24年パリ五輪の選考レースで好スタートを切った。女子シングルスは早田ひな(21=日本生命)が制した。

 たまっていた鬱憤(うっぷん)を晴らすように、張本智がシャウトした。優勝が決まると雄叫びを上げ、ユニホームをまくり上げて頭からかぶった。「ただただ、安堵(あんど)感がある。悔しい思いをせずに乗り切れたのは久しぶり」。昨年3月の国際ツアー大会以来、1年ぶりのタイトルをつかみ、涙をぬぐった。

 昨夏の東京五輪は4回戦、世界選手権は初戦の2回戦で敗退。今年1月の全日本選手権も6回戦で散った。周囲からマークされ、受け身になってしまうことが原因だった。両親から「(自分が)格下と思わないと勝てない」と毎日のように言われ、今大会は「みんなが格上と思って気持ちを作った」とバックハンドで圧倒。「自分のプレーが戻ってきたことがうれしい」と胸を張った。

 コートでは強気な姿勢を取り戻した一方、発言は大人になった。全日本を制した戸上隼輔は「パリは僕が引っ張っていく」などの強気コメントでも注目された。かつて同じように強い言葉を発していた張本智だが、勝てない苦しみも経験した今は違う。戸上を念頭に「過ちは誰にでもある」と余裕の表情を浮かべ、「自分が一番強いとは思っていない」と強気発言を封印した。

 24年パリ五輪の選考レースで好発進し、今秋のアジア大会、世界選手権(ともに中国)の代表にも決定。「常に優勝を狙う気持ちで。限界を作らずに挑戦できたらいい」。張本智の進撃が始まった。

 ▽24年パリ五輪代表選考 期間は今大会から24年1月の全日本選手権まで。アジア大会や世界選手権個人戦、国内選考会やTリーグに独自の選考ポイントを与える。選考レース終了時点のポイント上位2人をシングルス代表に選び、団体戦代表の3人目はダブルスの相性も考慮して強化本部が選出する。

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