KYB・望月満輝さん、選手の“健康観察”でミリ単位の調整

[ 2022年3月7日 05:30 ]

北京冬季パラリンピック第3日 アルペンスキー ( 2022年3月6日    国家アルペンセンター )

KYBの望月さん
Photo By スポニチ

 【支える人(2)】道具はパラアスリートにとって、体の一部。自動車部品などを製造する「KYB」の望月満輝さん(46)は、パラアルペンスキー日本代表チームのメカニック担当として選手たちの“健康観察”を行う。

 アルペンスキーの座位では、1本のスキー板に座席が固定された「チェアスキー」に乗って滑走する。下肢に障がいのある選手にとっては、一番重要な役割となる競技の心臓部。滑走スピードは時速100キロを超え、激しいターンも行うことからネジ一つの緩みさえも許されない。

 望月さんはチームに同行し、海外遠征も共にする。各部品のメンテナンスはもちろん、サスペンションと呼ばれるバネなどのセッティングから調整までチェアスキーの全てをカバー。設定では「ちょっとの違和感も感じさせないように」と各レース会場の特性や雪質に対応している。

 道具に求めることは、人それぞれで違う。「選手からの声を一つ一つ大事にしている。話し込んで、話し込む」と望月さん。座席の位置の変化などミリ単位で調整し、「顔の表情を見て良い方向にあるか、悪い方向にあるか分かる」という。

 今回の北京のコースは直角カーブと氷のように硬い雪といった“難敵”。それでも、望月さんは「引き出しの多さ」で対応し、2日連続で村岡が金、森井が銅と快進撃の裏で大きな役割を担っている。選手を支えるチェアスキー。その道具も、望月さんの手によって支えられている。

続きを表示

この記事のフォト

2022年3月7日のニュース