金ラッシュへ“視界良好”!村岡、コンタクト落としても2冠「頭の中に(コース)インプットしていた」

[ 2022年3月7日 05:30 ]

北京冬季パラリンピック第3日 アルペンスキー・女子スーパー大回転座位 ( 2022年3月6日    国家アルペンセンター )

金メダルを獲得した村岡(AP)
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 アクシデントもなんのその!スーパー大回転が行われ、女子座位で日本選手団主将の村岡桃佳(25=トヨタ自動車)が、前日の滑降に続き、今大会2個目の金メダルに輝いた。18年の大回転も含めて、パラ通算3個目の金。滑走中にコンタクトレンズを落としても、堂々の滑りで頂点に立った。男子座位の森井大輝(41=トヨタ自動車)は前日の滑降から2日連続で銅メダルを手にした。

 コースがよく見えていなくても、黄金への道のりは脳内で完全再現されていた。前日の金メダル発進から一夜明け、今大会2レース目に臨んだ村岡は勢い良くスタートした直後、左目に異変を感じた。「コンタクト(レンズ)がずれて、途中で落ちた。びっくりした」。必死でまばたきしたが、無駄だった。

 視力は「0・1ないくらい」。ましてや、スタートしたばかり。この先には、直角カーブや急斜面が待っている難コースだ。スキー板1本のチェアスキーで時速100キロを超えるスピードで滑降しなければならない。

 絶望的状況でも、焦りはなかった。レース直前に行う1回のインスペクション(下見)でコースを完全に把握。「頭の中にインプットして、スタートするまで何回もイメージしていた」。脳内の“桃佳ガイド”が、正確にフィニッシュ地点まで案内してくれた。

 記憶力と感覚による神業で、3種目で世界ランキング1位に君臨するアナレナ・フォルスター(ドイツ)に勝利した。2人はともに14年ソチから出場してきたライバル。村岡は中盤まで0・19秒差で遅れていたが、終盤で加速し0・11秒差をつけて制した。「勝てたのはうれしい」と、さらに価値のあるメダルとなった。

 ゴールすると、ゴーグルにコンタクトレンズを見つけた。8日の予定だったスーパー複合は、天候の関係で急きょ、きょう7日に前倒し。急なハプニングでも、“冬の女王”には問題ない。金メダル量産に向け、視界は良好だ。

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