ゴルフ界の西郷どん勝った!ジャンボ門下生20歳が22年快幕 “シルバーコレクター”返上初V

[ 2022年3月7日 05:30 ]

女子ゴルフツアー ダイキン・オーキッド・レディース最終日 ( 2022年3月6日    沖縄県 琉球GC=6590ヤード、パー72 )

初優勝を飾り笑顔を見せる西郷(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 女子ゴルフ界の「西郷(せご)どん」が勝った。首位と5打差の8位から出た西郷真央(20=島津製作所)が6バーディー、1ボギーでこの日の最少スコア67をマーク。通算10アンダーで逆転し、ツアー初優勝を飾った。男子ツアー通算94勝を誇る尾崎将司(75)の愛弟子は昨季7回も2位となり何度も悔し涙を流したが、22年開幕戦でシルバーコレクターの称号を返上。生涯獲得賞金2億円を突破した。

 練習グリーンで待機していた西郷は優勝決定の知らせを聞くと、同じ01年生まれの山下と笑顔で抱き合った。幼少期に千葉・北谷津ゴルフガーデンで一緒に腕を磨いた稲見にも祝福された。「優勝できたという安心した気持ちだった。喜びの涙を流すのはまだ早いかな」。待ち焦がれた瞬間にも涙はなかった。

 5打差の8位でスタート。4番で2・5メートル、5番で1メートルにつけて連続バーディーとするなどツアー屈指のショット力でスコアを伸ばした。16番で8メートル、17番ではカラーから7メートルをねじ込んだ。合計24パットと高麗芝の難グリーンも攻略した。
 前回大会は初日から首位を走りながら最終日は17、18番の連続ボギーで73と崩れて4位敗戦。終盤2ホールには嫌なイメージが残っていたが「去年17番の第2打をグリーン奥にこぼしたことがフラッシュバックしたけど、打ち勝った」。その17番でバーディーを奪いリベンジ。第2打をバンカーに入れた18番もパーを拾い単独首位でホールアウトした。

 昨季7回も2位となり悔し涙を流した。折れそうな心を支えたのは先輩の言葉だ。藤田さいき=写真=には何度も励まされた。単独首位で最終日に臨みながら2位に終わった昨年の日本女子プロ選手権ではクラブハウスで荷造りをしている時に「もう少しだから絶対大丈夫だよ」と慰められた。

 ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーの1期生。沖縄入り直前まで千葉市内のジャンボ邸で調整。シャフトに羽根のような板を取り付けたジャンボ手製の「素振り棒」でヘッドスピードを高めた。沖縄にも2種類の「素振り棒」を持ち込んでいた。師匠の期待に応えた愛弟子は「“しっかりやり続ければ結果はついてくる”と言われていた。その言葉を信じてやってきたので気持ちの面でも強くなったと思う」とうなずいた。

 この1勝で、宮里藍の20歳105日に次ぐ史上2位の年少記録となる20歳149日で生涯獲得賞金2億円に到達した。将来的に海外での活躍を夢見る西郷は「初優勝できたので、2勝、3勝と優勝を重ねられる強いゴルファーになりたい」と次の目標を掲げた。

 ▽新世紀世代 有力選手の多い98年度生まれの黄金世代、00年度生まれのミレニアム世代に続き、01年度生まれの選手が呼ばれている。同世代では笹生優花が20年8月にNEC軽井沢72での初優勝から2戦連続優勝を挙げ、21年には海外メジャーの全米女子オープンを制覇。山下美夢有は21年4月にKKT杯バンテリン・レディースで初勝利を手にしている。西郷は3人目の初優勝。

 【西郷 真央(さいごう・まお)】☆生まれ 2001年(平13)10月8日生まれ、千葉県船橋市出身の20歳。
 ☆サイズと血液型 1メートル58、57キロ。血液型AB。
 ☆学校 日本ウェルネススポーツ大学在学中。
 ☆ゴルフ歴 5歳で始める。千葉・麗沢高3年時の19年日本女子アマで優勝し、同年のプロテストで一発合格。昨季は2位が7度、トップ10入りが21度で0勝ながら賞金ランキング4位。
 ☆名前 「真っすぐな人になってほしい」との願いから。
 ☆ニックネーム 師匠の尾崎からは「せごどん」と呼ばれる。
 ☆成人式 出席せず、「練習していた方が身になるかなと思って」。
 ☆趣味 お笑い観賞。
 ☆所属 今季から島津製作所。今大会が所属選手として迎えた初戦。

続きを表示

この記事のフォト

2022年3月7日のニュース