埼玉が5連勝“頂上決戦”で逆転勝利、開幕2戦連続不戦敗も稲垣「巻き返せる」

[ 2022年2月27日 05:30 ]

ラグビーリーグワン第7節   埼玉34―17東京SG ( 2022年2月26日    埼玉・熊谷ラグビー場 )

<埼玉・東京SG>前半、坂手のトライで逆転し、涼しい顔で守備位置に戻る埼玉・稲垣(右)(撮影・木村 揚輔)
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 4試合が行われ、昨季トップリーグ決勝と同じ顔合わせとなった“頂上決戦”は埼玉が34―17で東京SGを下し、5連勝を飾った。一時は14点のリードを許しながらも規律と防御を修正し、前半20分以降は一方的に得点を奪って逆転勝利。コロナによる開幕2試合連続不戦敗をものともしない快進撃で、初代王者へ第一関門を突破した。

 「熊谷のみんなには笑っていて欲しい」。仏頂面の稲垣とそんな文言が書かれたポスターが至るところに貼られたホームで、埼玉がファンを笑顔にした。昨年5月23日以来の対戦で、ダブルスコアの快勝。ハーフタイムで退くまで、接点や防御で相手の勢いをそぐプレーで貢献した笑わない男も「(焦りは)なかった。しっかりやれば巻き返せると思った」と事もなげに言い切った。

 前半17分までに2トライを許した。CTBケレビの防御に人数をかけすぎたことで外にスペースが生まれ、よもやの展開に。だが、誰も焦らない。ディフェンスリーダーでベンチにいた堀江は、オンフィールドの内田に「“コミュニケーションを取れ”と言った。僕らの防御は結構シンプルなので」。乱れていたノミネート(マークする選手をコールすること)を整備した途端に、本来の隙のない防御を発揮。以降は無失点に抑えた。

 「熊谷のみんなと笑っていたい」。そんな文言と笑顔がポスターとなっている松田はキック7本で19得点の活躍。ほほ笑みの貴公子マッケンジーとのキック対決は「特に意識していない」と質問をかわしたが、落ち着いたゲーム運びで15人を統率した。この日は同じSOの山沢拓が15番で今季初先発。ダブル司令塔として前後で連係を図りながら逆転勝利に導き、「凄く助かった。アジャストして、もっといい形にしたい」と新布陣に手応えをにじませた。

 開幕当初は出遅れが心配された埼玉だが、不戦勝を除く5勝目は早くもリーグ単独最多だ。「1ランク、2ランク。もっとレベルを上げたい」と坂手主将。初代王者へ、春の足音とともに加速する。

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