クロカン日本選手権 松枝博輝がシニア男子10キロで初優勝 三浦龍司は体調不良のため欠場

[ 2022年2月27日 09:13 ]

第105回クロスカントリー日本選手権 ( 2022年2月26日    福岡市・海の中道海浜公園 )

シニア男子10キロで優勝した松枝は両手を挙げながらテープを切る
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 シニア男子10キロは昨年、同タイムの2位だった松枝博輝(28=富士通)が28分46秒で初優勝しリベンジを果たした。昨年優勝の三浦龍司(20=順大2年)は体調不良のため欠場した。シニア女子8キロは小林成美(21=名城大3年)が26分34秒で初優勝を決めた。

 松枝が見事に雪辱を果たした。「最初から積極的に前に出た。自分では不得意だった終盤も走り切れた」。序盤のあわやコースアウトというアクシデントにもめげず、28分46秒でゴール。29分10秒の同タイムで同門・順大の後輩、三浦の後塵(こうじん)を拝した昨年を順位でもタイムでも上回った。その三浦は欠場したが「彼もこれぐらいのタイムでは走っているはず。前日会見でお互い勝負しようと話していたので少し残念な気持ち」と複雑な表情を浮かべた。
 昨年の2020東京五輪。男子5000メートルに出場した松枝は予選18位(14分15秒54)で決勝に進めなかった。「何もかもが足りないと感じた。この差をどう埋めようとレース後2カ月間悩んだ。結局しっかりやり続けるしかないと考えた」。1月には同じアスリートで走り高跳びの仲野春花(ニッパツ)と入籍。まだ一緒に暮らしていないが新妻の存在は大きな励みになっている。
 東京の借りはパリで返す。まずは7月の米オレゴン世界陸上がターゲットだ。5000メートルの参加標準記録は13分13秒50。自己ベストは13分24秒29の松枝だが「12分台を目指す気持ちで本気で狙っていきたい」と意気込む。クロカンの優勝は記録更新の弾みになるはずだ。

 ○…「記者会見に呼んでもらったので負けるわけにはいかないと頑張った」。シニア女子は小林がゴール直前で先を行く猿見田をかわして1秒差でゴールテープを切った。「強い選手が欠場されているので自分が勝って当たり前と思ったし、その気持ちが世界に通じると思う」と心の強さを強調した。すでに女子1万メートルでオレゴン世界陸上の標準記録を突破しており「状態を上げていきたい」と世界の舞台を見据えた。

 ○…地元・筑紫女学園高の松本がU20女子6キロで2位に入る好走を見せた。「都大路に出られなかったので、出場選手が数多く走るこのレースで力を試したかった」と挑む気持ちで初参加。5キロ過ぎまでトップを走り、大阪薫英女・水本に次いでゴールインした。昨年10月の全国高校駅伝福岡県予選では1区を走ったが脱水症状のため区間9位に沈み、チームも2位止まり。新主将として臨む今年は「チームをしっかり引っ張り私自身初めての都大路に出たい」と誓った。

 ▼U20男子8キロ優勝・吉岡大翔(ひろと、佐久長聖高2年)右足の甲を痛め、練習が足りてなかったが、余裕を持って走りきれた。
 ▼シニア男子8位・佐藤圭汰(洛南高3年)2、3週目にペースが上がったときに対応できなかった。(シニア選手との)地力の差を感じた。

 ▽シニア男子10キロ
(1)松枝博輝(富士通)28分46秒
(2)葛西潤(創価大)28分51秒
(3)池田耀平(カネボウ)28分56秒
 ▽シニア女子8キロ
(1)小林成美(名城大)26分34秒
(2)猿見田裕香(ユニバーサルエンターテインメント)26分35秒
(3)川口桃佳(豊田自動織機)26分45秒
 ▽U20男子8キロ
(1)吉岡大翔(佐久長聖)23分36秒
(2)南坂柚汰(倉敷)23分39秒
(3)長嶋幸宝(西脇工)23分46秒
 ▽U20女子6キロ
(1)水本佳菜(大阪薫英女)19分55秒
(2)松本明莉(筑紫女)20分03秒
(3)並木美乃(常磐)20分08秒

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