成功したオリパラも、運営面では完敗やわ ちゃんと検証するまで前に進まんといてや

[ 2021年9月29日 08:00 ]

鳥内秀晃氏
Photo By スポニチ

 【名将鳥内秀晃の人間話 頼むでホンマ】今回な、初めてじっくりとパラリンピックを見て、パラリンピアンってホンマにすごいな、と思ったわ。挫折を乗り越えて、競技に巡り合って、そこから考えられん努力してるわけやん。何があっても諦めへん姿勢に、国民みんながすごい感動をもろたんちゃうかな。何で、もっとテレビで取り上げへんのやろ。

 その半面、五輪に出ていた一部選手のコメントには、失望させられることがあったわ。パラリンピックでは、そういう姿をいっぺんも見んかったで。いっそのこと、次の大会から、オリンピックとパラリンピックの順番を逆にした方がええんちゃう。ひたむきなプレーを見た後やったら、五体満足のオリンピアンかて、言い訳でけへんのちゃうかな。

 オリパラを開催したことは成功かもしれへんけど、運営面はアラだらけやったな。感染対策のバブル方式は全然できてへんかったし、食品のロスも問題になっとった。あんだけ多くの食べ物を無駄にするなら、「こども食堂」や困っている世帯、下宿生や自宅療養者に配ったらええんちゃうの。現場ではそういう声もあったのに、しゃくし定規な上からの命令で捨てることになったんやろな。ロンドンやリオ五輪では、余った食料を調理して、ホームレスの人に配っとったんやで。それが五輪のレガシーになるはずやったのに、東京で途切れてしもたのが残念やわ。

 大会は終わったけど、五輪にかかったコストも含めて、検証は絶対に必要やで。日本は昔から、それをせえへんから、すぐに「データを破棄した」とか言うて、問題がうやむやになってもて、また同じ失敗をしてしまうねん。それやと、いつまでたっても進歩はあらへん。

 検証の中心となるべき政府は、自民党総裁選が間近やな。候補者がコロナ対策の持論を言うてるけど、街に出て惨状を見たことあるんかな。医療の現場や困窮した人を見たら、国会を閉めてる場合やないことが分かるはずやで。まだまだ困っている人はぎょうさんいてはんねん。総理になるために、口先だけ格好ええこと言うてもあかんわ。

 今でも、学校の修学旅行や運動会が中止になって、みんなつらい思いしてるわな。五輪はやれるのに中止っていう理由を、子供たちにちゃんと説明せなあかんのちゃう。誰が総理になるとしても、弱者に冷たい政権は、もう勘弁してほしいわ。国民目線で政策を考えられて、エビデンスを基に説明できるリーダー、出てきて。頼むで、ホンマ。(関西学院大アメリカンフットボール部前監督)

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2021年9月29日のニュース