平幕・妙義龍 人生最大のチャンス!34歳11カ月で初Vなら徳勝龍超え日本出身最年長

[ 2021年9月26日 05:30 ]

大相撲秋場所14日目 ( 2021年9月25日    両国国技館 )

立ち合いで正代(右)の懐に飛び込む妙義龍
Photo By 共同

 平幕の妙義龍が大関・正代を寄り切って3敗を維持し、千秋楽に逆転優勝の望みをつないだ。34歳11カ月で初めて賜杯を抱けば日本出身力士では最年長記録となる。新横綱の照ノ富士は大関・貴景勝を上手投げで転がし2敗で単独トップのまま。平幕の阿武咲、遠藤は4敗に後退し、優勝の可能性が消えた。

 電光石火の出足だった。妙義龍は低く突き刺さるような立ち合いで正代の懐に飛び込むと、すぐに左前まわしをつかんだ。右もあてがって相手の腰を浮かせ、土俵上を一気に疾走して寄り切った。前日の貴景勝戦に続いて大関連破。「稽古場でいつもやっていることやから。自分はこの相撲だと思った。やってきたことを信じていた」と胸を張った。

 10月で35歳となるベテランの快勝に、八角理事長(元横綱・北勝海)は「最高の相撲。一番いい頃の妙義龍だ。よくやっている。(優勝争いに残り)大殊勲、立派だ」とうなった。

 1差で新横綱を追う千秋楽で逆転すれば34歳11カ月で初優勝。年6場所制となった1958年以降では、37歳8カ月の12年夏場所で初優勝した旭天鵬に次ぐ年長記録で、日本出身では33歳5カ月の徳勝龍(20年初場所)を上回る最年長となる。角界では“花のロクイチ組”と呼ばれる昭和61年(1986年)度の生まれ。横綱・稀勢の里(現荒磯親方)、大関・豪栄道(現武隈親方)、現役の徳勝龍がこれまで賜杯を抱いており、同学年で4人目を目指す。まず本割で関脇・明生を破らなければ優勝の可能性が消えるだけに「その日の一番に集中して、自分の相撲を取る」と冷静に構える。

 新十両場所で左膝を大ケガして長期休場し、三段目下位から出直して三役常連にまでなった。苦難の克服と豊富な経験で肝が据わり、人生最大のチャンスにも動じない。「心境に変化はない。平常心でやる」。真っすぐな人間性そのままに、迷うことなく進む。

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2021年9月26日のニュース