渋野、同組の稲見に脱帽「萌寧は仏」 住友生命レディース東海クラシック第1R

[ 2021年9月17日 16:47 ]

<住友生命レディース第1日>3番、渋野日向子のティーショットの行方を見つめる稲見萌寧(左)と古江彩佳(撮影・井垣 忠夫)
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 女子ゴルフの住友生命レディース東海クラシック(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)は17日、愛知県美浜町の新南愛知CC美浜C(6502ヤード、パー72)で第1ラウンドを行った。

 国内ツアー復帰2戦目の渋野日向子(22=サントリー)は4バーディー、2ボギーの70で回り、首位に4打差の2アンダー、7位と3月のTポイント×ENEOSの4位に続く今年2度目のトップ10スタートを切った。5月のほけんの窓口レディースに続く今季2勝目を目指す大里桃子(23=伊藤園)が6アンダーで首位に立っている。

 約20分の公式記者会見で渋野の口を何度も突いて出たのは「まぐれ」という言葉だった。

 「まぐれが多い感じだったので、う~んって感じです」

 上がりの4ホールで13番からの連続ボギーを帳消しにして余りある3バーディー。最終18番パー4(386ヤード)ではグリーン手前の花道から13ヤードの第3打をカップに流し込むアプローチを見せたが、その直後に飛び出したのはガッツポーズではなく苦笑い。「まだまだだなというところです」と最後まで景気の良い言葉は聞かれなかった。

 この日は賞金女王レースのトップを走る東京五輪銀メダリスト・稲見萌寧(22=都築電気)とのラウンド。その稲見は首位と3打差の3アンダー、3位で初日を終えた。2人の差はわずか1打だが、強い雨風の中、ボギーなしで18ホールを終えた稲見の鉄壁の守りに、渋野は少なからず衝撃を受けた。

 「簡単ではないのに簡単に見える。あれは萌寧にしかできないんじゃないかな。そういうゴルフが私もいつかはできたらいいなと思います。ゴルフのお手本を見させていただきました」

 右からの強い追い風の影響で第1打を大きく左に曲げた9番パー4(406ヤード)では「最低でも」という計算の基、左ラフからの第2打をグリーン右手前のバンカーに打ち込み、ここから35ヤードの第3打を50センチに寄せてパーをセーブして見せた。
 こうした稲見のゴルフは、スイング改造など試行錯誤の最中にいる渋野には光り輝いて見える。
 「(2018年の)プロテストの時からメンタル強いなあって思ってましたけど、今はそのメンタルという言葉が要らないくらい。仏ですよ」
 これが急成長を遂げたライバルへの渋野の偽らざる今の気持ちだ。

 2019年のこの大会では、最終日の16番パー3(194ヤード)でグリーン左ラフからチップインバーディーを奪うなど多くの“まぐれ”を積み重ねて申ジエ(韓国)との8打差を逆転する奇跡を起こした。今年はTポイント×ENEOSの11位が最高。風雨の中、この日、積み重ねた“まぐれ”を浮上の足掛かりにしたい。

 

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